All in my head

1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

マニラ/豪華客船内定!乗船のために船員学校へ①

生暖かい風が吹く3月初旬の首都マニラ、ニノイアキノ空港に到着した。2017年…自身2度目のフィリピン。

バックパッカー旅行のトランジットで旧市街へ行ったことはあったが泊まるのは今回が初めてだが緊張はなかった。タクシーのキャッチの中に紛れたエージェンシーを自力で発見し何とか合流しホテルへ。

巨大な日本資本のカジノ、オカダマニラを横切る道中に運転手と会話して知ったが、どうやらもう1人日本人の内定者がいるらしい。 相部屋を覚悟したがホテルは個室で驚き。 普段バックパッカーやってると個室に憧れすら抱く筆者。荷解きが終わりひとまずハイネケンを飲んでからマニラ湾を望むベイウォーク散歩。

やはり街の雰囲気を知るには歩くのが1番いい。

意外かもしれないが、フィリピンはカジノ大国でその数50以上。特にマニラのカジノはショッピングモールなど商業施設と隣接していたり、空港から近かったりとアクセスしやすく日本人も多いので比較的ビギナーも行きやすい。

現在、船で働いて3年目だが日本人のディーラーの友人もいて近々国内でも合法化の日は近いかもしれない。  

少し話が脇道に逸れたがシーマンスクール初日を迎えた朝、もう1人の内定者に対面した朝6時。授業が朝6時半からなので朝起きるのが何より辛い。

ホテルの一階がセブンイレブンとなんちゃってチャイニーズレストランでそこでフリーの朝食をとってから共に学校へ。

食べたくない時は学校の近くで朝マック。 ライスメニューの凄まじい違和感。

船員学校 Compass Training Center

校内の様子はなんだか塾のようで白を基調としてかなり内装はきれい。 授業内容は様々で緊急時の応急処置や船の構造、船金属探知機の使い方など日替わりで終わると毎日テストがある。全て英語で進み、授業ごとに講師が変わるがクラスの25人は10日間変わらなかった。男女比6:4といったところで年齢層は18〜40近い人もいたがあまり会話はしなかったのが現実。

国内で仕事をするよりも安定していてかつアメリカドルで国内と比較すると何倍、長く働けば何十倍もの給料がもらえるクルーズ船内の仕事を志望する若者は多い。そして彼らの発する熱量には驚嘆した。

つまり船で働く=「出稼ぎ」なのだ。

個人差はあるもののクラス内で全員が英語で受け答えするその姿だけでも日本人では考えられない光景だ。 おそらく朝から昼と昼から夜の二部制のようで入れ替え時のオフィスは人で溢れかえる。2人しかいない日本人(この学校で初の日本人らしい)はクラスでは確実に浮いていた。

クラス内で船の内定が決まっているのは私たちだけ。

わりと避けられてる感じはあったが私の態度も含め互い様かもしれない。その点、彼のフレンドリーな性格には助けられ彼のそばにいれば人が来た。幸か不幸か2人とも典型的な日本人顔ではなく特に彼は完全にアジア系のお顔をしていた…

奈良出身で関西弁の彼は当時29歳くらいで5個上の年齢以上に筆者は頼りっぱなしだった。ほぼ毎朝モーニングコールをしてもらい、朝食を取りにレストランに行くといつも彼はもう食事を済ませているほど。ランチも彼はクラスの人と食事するので便乗。

筆者は現地飯にとにかく弱いので持参したカップヌードルを頂く。東南アジアではよく目にするフィッシュヘッドは絵的にアウト。 船のクルーあるあるかもしれないが片手にフォーク、片手にスプーンのこのスタイルの食べ方がめちゃくちゃ上手くなる。箸の使い方を忘れるほどに…

スリーインワンのコーヒーは20円くらいで校内販売している。甘すぎるからあまり飲まないが授業中口が寂しいのでこれをストック。

船に関する知識をつけるにつれて豪華客船で働く実感が少しずつ少しずつ湧いてきた。

1日の授業が終わるのは2時。すると彼は職員室に行きピックアップの車を待つ時間で先生たちと会話をするのがルーティンに。テストの点数が悪く落ち込んだ時は隣の建物にある学校が経営するカフェ Compass Brew に行き彼が励ましてくれた。 居心地がとにかく良くWiFiという強い見方がいて学生ディスカウントの嬉しいサービスも。

朝方の生活スタイルはオーストラリアのファームと似ており帰ってすぐビールを買うのも同じ。 セブンにあるサンミゲルのフルーツフレーバー(ビール)が飲みやすくてとまらない。

叔母が買ってくれた電子辞書は高校入学から使っていて電波要らないので時にはスマホより便利。 マニラ滞在中は野菜を食べることがほとんどないのでビタミン剤と正露丸は必須。MTV映るのはありがたい。

学校が終わりマニラ郊外にあるホテル レッドプラネットに着いてからは自由時間。昼寝してから宿題を済ませて時間を合わせて夕食をよく共にした。キッチンもないし物価も安いので当たり前に外食。学費と宿泊費以外は自己負担なのでそこは割り切る。

歩いて15分ほどのところにあるロビンソンモールのフードコートに行くのだが本当にご飯の好き嫌いなく何でも挑戦する姿勢は素晴らしい。

彼もワーホリを経験しカナダでオーロラのツアーガイドをしていたという…何それかっこよと思わず口から出てしまった。ローカルジョブというだけでも私の畑仕事とはまるで天と地のような違い。

でもみんな違ってみんないいんですよね?

フィリピンペソの計算は楽で頭の中で2倍ちょいにすれば円のレートになる。食後は解散して思うがままにロビンソンモールでショッピングするのが息抜きに。

10日間の中で1回だけ周ってきた日曜日が休みでそれ以外は毎朝学校があった。なんとかテストをパスし最後の実技試験の日が刻々と迫っていた。