今回の基隆に関する内容はブログを始めてからずっと書きたかったがここというタイミングが分からずかなり長い間、脳内にため込んでいた。
筆者は台湾が大好きで、乗船後に知るこれから何度も台湾に行くという事実は相当に嬉しかったしこのコントラクトの後、転職してPクルーズに行くがやはり基隆に行く航路にあたる自分は何か縁があるのかもしれない。
初海外の台北から3年、このような形で台湾に戻ってくるとは当時思いもしなかった。
実は千と千尋の景色で有名な九份に行ったある日。電車で瑞芳駅に行きそこから乗ったバスが真逆の方向で着いたのがここ基隆だったのもどこか運命的。
小雨が降る肌寒い中、何もない港に着いてしまい絶望したのを覚えている。
でもそのおかげで九份に着いたのは夕方になり綺麗な夜景が見れたから良かったが…日本人の多さには驚いた。
台湾北部にある基隆(Keelung 読み方は中国語だとジーロン)は首都の台北から車で小1時間。公共機関でも気軽にシティへアクセスが可能で本数も充実。
船が街の景色に溶け込む基隆港は毎日のように各国から大型クルーズ船が就航しており、対岸に二隻同時停泊できるクルーズターミナル2つ。更にコンテナターミナルも有するこの港は台湾経済において重要な役割を担う。
クルーズというのは航海日(Sea day)と寄港日(Port day)の2つに分けられる。
クルー目線で言うと航海日は終日船が進み続けるので乗客全員が船内にいる。従って働く時間も増えるが、寄港日は着岸し乗客が下船して観光に行くので働く時間は減り休み時間が増える。昼寝するのもよし、外出するも良しだが筆者はお分かりのとおり後者だ。
宮古島の乗船から4日後。IDの発行が完了し、タイミングが合って初めて外出できたのが基隆だった。
クルーは免許証のようなIDカードをスキャンするだけで税関がない限りパスポートは必要ない。
外出のことをショアリーブ(shore-leave 意味は上陸許可)と呼び、仕事から解放され自由に街を歩いてちょっと買い物するそんな一時がクルーにとって何よりの幸せ。
船を降りれたハッピームードも束の間、陸酔いを体験した。船は大きいのでそこまで揺れず(個人差あり)船酔いはしなかったのだが…平坦な道を歩いてるだけで揺れてる感じがして気持ち悪い。
非常に困っていたが次第に治って一安心。
基隆は別名「雨の都」と呼ばれるほど雨が多く年間降雨日数は200日オーバー。日差しは重い雲に阻まれ、 2日に1回以上の確率で雨が降るこの港街は湿った空気で包まれている。
台湾ならではのアーチ状建築のおかげで濡れずに歩けるし雨の振り方もザァザァよりかシトシト、、なので傘をさす人は少ない。
曇りで期待以上、晴れてたら超ラッキーと思うべし。
バイク、スクーターの多さにも目が慣れてくる。バックパッカー旅行中はレンタサイクルでよくドライブする筆者だが右側車線かつ一方通行ばかり、さらに駐車ルールも不明な台湾市街地での運転は不可能だ。
街はブロックのように四角く区切られているがどの道も交差点も似ているので迷いやすい…港を出てまっすぐ歩くこと10分。
基隆の台所とも言える仁愛市場の雰囲気はローカルマーケット好きにはたまらないだろう。
肉の新鮮さは日本のスーパーの比にならない。 旅行者にとって市場は買うところではなく見るところかもしれないが行くことで現地の人々の暮らしや生活に触れることができる。 二階にはフードコートやマッサージ店などがひしめきあっているがその中で一線を画すのが...
Anygood coffee / 多好咖啡店
明らかに浮いてる現代的なコーヒーショップが伝統のある市場の真ん中にある心地よい違和感。これは現地に行くとより鮮明にわかるだろう。
筆者と同世代のバリスタを中心に店も若い人たちで賑わい、時間によっては満席もしばしば。 台湾人はお茶も好きだが本当にコーヒーが好きだ。
浅煎りをハンドドリップで飲み比べたり、こだわりのコールドブリューにスイーツといったSNS世代受けのいいラインナップ。
元あった店をリノベーションし、違った世代のローカルコミュニティが顔を合わせれるとはなんと素敵なことだろう。この理想的な一連のプロセスは日本も参考にしたい。基隆編は次に続く