ウエイターとして乗船した筆者は朝〜晩まで毎食レストランで働きピーク時は時間も忘れるほど忙しかった。 レストランは後方14階にあり見晴らしがとても良く、少しでも手が空いたらオープンデッキに出て海をぼーっと眺めるのがクセに…そんな最初の1ヶ月。
ブッフェなので料理に触ることはほぼなくテーブルの片付け、カテラリー、グラス、皿などの補充がメイン。
同僚はもちろん、シェフと皿洗い、洗い場の掃除をするスチュワードたちとも毎日顔を合わせるので自然と仲良くなり分ったのはウエイターとは完全な体力仕事ということ。
ホテルの婚礼バイトで習得した皿3枚持ちやワインの注ぎ方はここでは何の役にもたたなかったがそれはそれ。
見返すとこの頃からポートレートっぽいのを撮っている…そんなワーカホリックな5日間クルーズの希望は唯一ブッフェ全体がクローズする基隆のランチオフ。
短いお昼の空き時間。疲れ果てた心身をどう効率的に思い通りリフレッシュできるか試行錯誤が続いた。
1日の半分をブッフェレストランで過ごし、仕事が終わっても4人部屋の喧騒ライフ。 冷静に外出時くらいは人混みを避けて1人になりたい。
● 基隆廊口夜市 / Keelung Night Market
大きな台湾名物夜市が基隆にもある。ツーリストスポットながら夕方から夜は地元民も加わりさらに賑わう。
立派なお寺がありフードコートが境内にまで広がる光景は一見の価値あり。だいたい100〜200元で屋台は食べれます。
夕方になるとライトアップされて雰囲気良好ですがそこは船の出港時間次第。
● SHIN-SHIN SEAMEN'S STORE
前回のブログで書いたように多種多様な船がたくさん着く基隆には奥深い事に船員向けの店まである。
狭い店内ながらフリーWi-Fi完備。ゴールドや香水、台湾土産にポケットWi-Fi、SIMカード、フィリピンのお菓子などなど船員心をくすぐる雑貨が並びついつい買いそうになる。
ちなみにクルーの給料はアメリカドル。両替時も好レートのここを利用。
美味しいタピオカミルクティが隣の店で55元で飲めるが、筆者がまず行くのはこちらの2店舗だ。
まず初めにパン屋さん。意外に思うかもしれないが麺もご飯も試した結果、台湾のパンが1番日常に近く落ち着く味だった。
思うがまま、値段も見ずにパンをトレーにのせることでストレス発散。おすすめはしょっぱい系より甘い系(ほんとに全部美味しい)で船内持ち込めて日持ちする。パイナップルケーキも1つから購入できおすすめ。
● Louisa Coffee / 路易莎咖啡
台湾チェーンのルイサコーヒー。ここは心の拠り所で素晴らしいが詰まっているお店。仮にショアリーブ(外出許可)の時間が少なくてもルイサにだけは行く。
スペシャルアメリカーノをゆっくり飲みさっきのパンを食べながら一服するのがルーティンだ。 WiFiも快適で家の近くにこんなカフェがあればなと思わずにはいられない…2階は広々していてもっとチル。
総合的にメニューの多さ、内装のデザイン、マグカップの大きさ、店員さんの親切な接客(英語にも対応)、お手頃な値段…100点に近い。
さらには精製方法、原産など味の趣向で選べるドリップパックのボックスまで買えてしまう。
乗客の大半は、せっかくの機会だからと意気込み朝からバスツアーで台北に向かう。
故宮博物院や101へ行き、言わずと知れた鼎泰豊で小籠包ランチ。急いでお土産買って…と限られた時間の中でベストを尽くすのは大切だが少し忙しない。リピーターになればなるほど船内の時間を楽しみ寄港地は買い物だけして終わりだったり。
寄港日を楽しみにする心持ちはクルーも同じだが時間の使い方は違う。いかに疲れないか、これ。
散歩して、コーヒー飲んで(ビールも飲んで)軽く食べて小腹を満たす。でもそれらは全てリフレッシュして元気いっぱいの状態で船に戻り仕事にとりかかるため。
その究極と言える店がピンクの提灯が美しい裏路地にある。
● 東霖煎餃
台湾では珍しい焼き餃子専門店だ。大きく重みのある餃子に特製ソースをかけるのがローカル流。でもここには珍しく普通の醤油があるので筆者はそっち派。
桁違う量のキャベツの隙間を肉汁が溢れ出す餃子は外カリカリ中もちもちで1つ12元。(1元は約4円計算でお釣りくる) メニューは餃子と酸辣湯のみで気持ちいいくらいメニー蘭スッキリ。
基本はテイクアウト。スクーターがひっきりなしに店前に来る。食べてくとなると、長テーブル一つを囲んで相席する。(ビールは売ってないので持ち込み)
もしゲストとして乗船した際はクルーと話すようにして寄港地のおすすめを聞くのもありよりのあり。
みんなフレンドリーですし一つ、二つはストックを持っているはず。自然と会話も増えてクルーズがもっと楽しくなるかも? 基隆編続く