今まで海外での心に残ったことを振り返ってきたが、ここからは国内も題材に書ければと思う。
筆者の出身は埼玉でクルーズ船に乗るまで修学旅行先だった沖縄以外、大阪から西に行ったことはなかった。基本的な行動範囲も埼玉⇄東京がメインで国内を旅行しようとすら思わなかった。
ちょっとの遠出も関東圏で満足。山梨の富士吉田は、特にお気に入りで新倉山浅間公園は有名な映えスポット。
中国人しかいない日本のマイナー世界遺産、忍野八海は驚きの水の透明度。泊まりなら是非リゾバしていたホテル鐘山苑へ…(広告)
それから年々行動範囲は広がる一方で“飛行機に乗る”は“海外に行く”と同意に。
私見だが国内線は台湾や韓国といった近隣アジア圏よりも値段が高いイメージがある。 航空会社やシーズンによっては間違っていないだろう。
そこに強めの海外思考が加わり、海外かぶれの完成。退職から自由に旅行できる環境を選び、実家という大きなバックのお陰でオーストラリアワーホリ、ニューヨーク、東南アジアラウンドなど好き勝手な旅を続け頭のネジはどんどん飛んでゆく。
それはそれでいい。夜間科の学生になり、就活せずフリーターになった時からヤバいと思い始めた。(今でも十分ヤバイが) そういった流れでクルーズ業界へ足を踏み入てからのこと、自ずと避けてきた国内を船で行くチャンスをもらい、旅を楽しむ初心に戻れた気がする。
今まで以上に日本が好きになったのが本音でありこれからの数回に続く話の結論。
不思議な巡り合わせで初もの尽くしの乗船から約3ヶ月、マニラ、台湾から石垣島か宮古島のどちらかに週一、二のペースで寄港することに。
数少ない国内旅行、まず端から攻めて行くのも悪くないだろう。石垣島…プロ野球のロッテが2月にキャンプしてるイメージしかないが、それでも期待値は上がる。
石垣島への初寄港はテンダリング。
●そもそもテンダリングとは?
テンダーボートと呼ばれる船の左右についてる小型船で港にいくこと。港、船着場の地形がクルーズ船に対応していない場合に用いられる。その間船は海の一定の位置に浮いている状態。
そして2回目、石垣島にクルーズターミナルが完成した晴れの日。しかし生憎の天気にげんなり…意地でも外出しないと船外での思い出は生まれない。
レストランから見下ろしていたおニューのコンクリロードを歩き目指すは前回テンダーボートが着いていた町の中心部…分かってはいたが何もない。(こんな事ならターミナルなんて作ってほしくなかった)と心は叫ぶ。
お高い石垣牛が並ぶ石垣市公設市場を通り抜けてちょっと遠いマックスバリューへ足を伸ばす。
イオン系列、トップバリューの仲間マックスバリューは親しみがないかもしれないが沖縄ではなくてはならない存在。辛いラーメンが好きな中国人クルー。四川出身の人たちは特に味覚おかしい…
ファミマに売ってるデカいドクターペッパーはマストバイ。ルートビアが有名で日本では沖縄でしか展開していないA&Wは毎回気分ではないのでスルー。
ありがたいことにタクシーが安い。
石垣島に限らず、クルーズ船で地方に行くとキャパオーバーでタクシーの数が足りなくなりがち。
なので事前に予約しておくか、船のツアーに申し込むかしだ方がベター。じゃないと歩いていける距離にこれと言ってなかったり、意外と思うようにいかない時も多々あるのでせっかくのクルーズ、ストレスを減らすためにも日頃より財布の紐は緩めましょう。
晴れたら海ラッキー。海の色めっっちゃブルーだけど未だに一度も入ったことはない…。石垣島だとやはり川平湾、ボートで竹富島に行くツアーが人気です。
心配だったらるるぶ持参、夏のゲリラ豪雨は日常茶飯事なので雨具のご用意を。
宮古島は小さめのクルーズ船なら着港できるが、基本は今もテンダリング。
平良港から歩いていけるパイナガマビーチで遊んで向かいのファミマで一杯やってアイス買うのもよいが、やはりレンタカー借りて島と島をかける伊良部大橋へドライブするのが気持ちよさそう。
ジャグジーから遠目で街を一望できるのもテンダリングポートならでは。
この写真、自分のこれまで撮ってきた中でも5本の指に入るくらいお気に入りだが心残りは売れなかったこと。カメラ目線をありがとう。
お土産にいただいた雪塩サンドはコーヒーと合う。
仕方ないことだが、綺麗な海を横目に働くのは辛いものがある。何よりの試練は毎クルーズ離島の夜におとずれるBBQディナー。
プールサイドまでレストランを拡張して行うのだが、全てにおいて思い出したくないほどの忙しさ。
この日だけはセーラーTシャツかアロハシャツに白ショーパン、白スニーカーとラフで革靴を休められる日。これ以上大変な仕事は今のところない、よくがんばったウエイター時代。
テンダリングボートも近くで見るとけっこうな大きさ。有事の際にもお世話になるが、テンダリングポートは少ないので乗る機会があったらラッキーくらいに思っておこう。
●でもテンダリングは正直あまり気乗りしないその理由
①乗るのはお客さん優先なのですぐには外出できない。キャプテンアナウンスで "CREW SHORE-LEAVE IS NOT GRANTED"と入るのが恒例。
②早めに設定される帰船時間。テンダリングの寄港地の特徴であり、ボートを引き上げて固定する時間が必要だから。クルーの朝も普段より早目。
③ ランチがいつものポートデイの倍忙しい。テンダリングだからと外出しない人、アクティビティや移動に時間がかかるなどが原因。決して悪い意味ではないので思う存分寄港地で楽しんでもらいたいのでこのブログを書いている。
④一隻に乗れる人数約150人。安全面からキャパが決まっおり、一本逃すと次来るのを待たなくてはいけない。
⑤ 揺れる、酔う。乗ったら乗ったで波高いとその影響をもろに受けるのでアトラクション感覚で楽しもう。
⑥帰りの時間にかなりの余裕が必要。陸で遊んでる時も時計ばかり気になる…まぁこれはいつものこと。
帰船時間ギリギリになるドキドキ感が一番体に悪い。
逆にテンダリングの良いところ!
①船を水平に近い目線から見れるので大きさがよく分かる。船バックにセルフィしたいなら二階へ。
②時間帯によっては空気が澄んでいる…
あんまり出てこないから③はなし。日本だと三重の鳥羽など。あまり効率はよくないが気分転換になるし、ターミナルのありがたさがよく分かる。
最初と最後の写真に映るのは宮古島に泊まる姉妹船のSSA。台湾基隆〜那覇、離島がメインコース。
✈︎台北への往復便をとれば、台湾旅行プラス沖縄クルーズが最安値でいけるクルーズラインで筆者もゲストとして乗るならこれがいい。絶対楽しい、、
石垣島か宮古島、やはり港の近くに美味しく心地よいカフェを見つけられなかったのが要因だろう。馴染めず、海でキャピキャピできず、毎回日本にいてそうでないような不思議な感覚だった。
4ヶ月目、ついにレギュラーで上海から九州、本州へのクルーズが始まり念願の本土帰還。
続く