湿気に飲み込まれそうな7月、長いと勝手に思い続けている2020年の折り返し。
シェアハウスから実家に戻りまた家から派遣先の倉庫まで自転車で通う日々が始まった。
夜が雨予報の日は夕方に家を出て職場近くのショッピングモールで勉強して就労時間を待つのも悪くない。
ふと入ったいつぶりかのサイゼリア、知ってはいてもいざメニューを開くとそのコスパに驚きを隠せなかった…。
そしてもう一つ驚いたのが不意にドラッグストアで買ったSBのスリランカ風キーマカレー。
上野デリーで食べた一切日本人に媚びない味のスパイスの風味を豆と合わせて食べやすくしたかのような味…と言っても伝わらないと思うので是非スギ薬局で見つけて欲しい、もしくは上野デリーへ。
カレーの後はコーヒーが飲みたくなる。この最強な組み合わせはもはや日本文化。
旅行に行きたいのは皆同じだがこれだけ制限があると国内ですら行き先に迷ってしまう。
自分は海外渡航が緩和されるまで旅行という旅行をする気はなく電車で行くワンデイトリップが今の限界、、
人混みから解放されつつ緑に触れたい…そんな願望を叶える場所が東京にあった。
●夢の島熱帯植物館
新木場(江東区)にあるゴミの埋め立て処分地の整備された複合公園施設の一つ。
熱帯雨林の環境を再現した大温室のエネルギーは新江東世相工場の余熱を利用しているのもなんかいい。
3つのドームに900種類の植物が展示されており時期によって旬の草木が花を咲かす。
ドーム内は適温に保たれ外より心地良く日差しが作る影がまた美しい非日常的世界。
綺麗に整備された順路は周りやすくコロナのせいか貸切状態。
シンガポールのクラウドフォレストとボタニックガーデンに日程短すぎて行きそびれた(写真はガーデンズ・ベイ・サウンズ)のがじわじわ悔やまれるも気分は海外。
不気味な食虫植物たち。
バナナやマンゴー、カカオ、パイナップルさらにはよく船で食べていたスターフルーツまでラインナップ。
大好きなコーヒーの産地もコーヒーベルトと呼ばれる赤道南北25度の熱帯地帯が生産地。
イベントスペースではハーブ展が開催され薬草としての歴史を勉強。
魔女狩り、ヨーロッパのアジア進出との関わりは意外でした。
これだけ緑に覆われたカフェは他にないのでは…椅子の向きが植物に向かって一定で暗めなのも高評価。
タイのシンハービールが飲めます。
ちなみに入場料250円。素晴らしいですね。
もう一つ圧倒的な入場料の安さを誇るのに展示が最高な博物館を紹介。
●タバコと塩の博物館
2015年に渋谷から墨田区に移転したJTが運営するこちらの博物館。
メインの展示フロアは2階と3階の塩の世界そして喫煙者必見のタバコの歴史。
塩から発展する世界が想像を超える広さ。解説も模型や動画が多く大変わかりやすい。
ここもまたガラガラなので逆に心配になってくる。
塩が古代社会においてどれだけ貴重だったか、そして苦労が堪えない伝統的な海水から塩を抽出する工程。
塩湖にもいつか行ってみたいですね。
タバコの原料となる南米原産の植物ニコチアナ・タバカム。
その昔、タバコ(パイプ)から燻らす煙は神とを繋ぐ神聖な存在だったという始まりに心、鷲掴み。
電子タバコなんてその時代の人が知ったら泣くだろうな…などと妄想しながら進む。
バスコ・ダ・ガマの大航海、キセルという形での日本独自の喫煙文化、世界のパケコレクションと大好きなジャンルの連続に心は踊る。
若者言葉で言うぴえんってやつですね、、いやそれより上のぴえんじぇるかもしれない…。
冷静にこのボッリューム+浮世絵の企画展も込みで入場料100円?????
お土産ポストカードの方が消費税分高いなんてことがあて良いのだろうか。
今でこそ科学が進歩し百害あって一利なしと揶揄され、文字通り煙たがられる存在だが何十世紀も人類の歴史と共に歩んできた趣向品と見なすと感慨深い。
なんなら薬として扱われた時代もあると知ると悲しくなる。
ミャンマーで初めて目にした噛みタバコ…(未経験)もコレクションに入れて欲しいがこれこそ体に悪すぎて無理か…。
最後は東京のお隣、筆者が高校時代を過ごした地大宮にある外国人に人気のスポット。
●大宮盆栽美術館
野球の大会が行われる球場までの道のりに看板があり存在こそ知っていたが足を運んだのは卒業してから5年以上後のこと。
2010年オープンときれいで落ち着いた館内の雰囲気は盆栽を引き立てるミニマムな印象と重なる。
日本の盆栽の古くかしこまったイメージと相反して海外でなぜか大人気のBONSAI。
船でのとあるフォーマルナイトのこと。
レストランに撮影に行った時あるゲストが盆栽デザインのピンバッジをスーツにつけていいて会話が始まったことがあった。
彼は当たり前かのようにこの美術館の存在を知っていたがまだ行ってないそうで後日ギャラリーで横浜からのアクセスを説明。
その後は不明だが個人的に埼玉が盆栽の力でこれほど有名になるとは思いもせず記憶に残っている。
専門美術館なだけあって盆栽の作られ方、鑑賞の仕方まで丁寧な説明が助かる。
盆器や石、絵画など盆栽にまつわるコレクションも同時に楽しめると尚良い。
この上のような年季の入った松を見て見事な舎利(シャリ)ですねなどと知ったワードはすぐ使ってみたり。
盆器の中に凝縮された大自然の情景を思い浮かべるのだそう。
広い庭園に並ぶ盆栽は360度全方位からの鑑賞が可能で松のみならずケヤキや紅葉、梅など様々。
何も知らない素人でも結果的に十分楽しめる。
閑静な住宅街にあり小さすぎず大きすぎずの素敵なバランスで入場料310円はお得。
元は東京の千駄木に多くいた庭師、植木職人たちが関東大震災で被害を受け大宮に移り住んだのが大宮盆栽村の始まりで徒歩圏内に点在する盆栽園のに足を伸ばすのもあり。
地元民からしたら盆栽一択でこんなに海外から人が来るなんて不思議かもしれない。
まとめ
小さい頃母に連れられよく博物館や美術館に足を運んでいたのをふと思い出す。
恐竜が好きでジュラシックパークの影響もあってかいつか自分で化石を発掘してやろうと意気込んでいたが野球を始めた頃から行かなくなりそのまま就職した。
転機は2014年、六本木の森美術館で開催されたアンディ・ウォーホル 永遠の15分を見て自分の何かが再燃。
ポストカードを集め出したのもその時からで行く度に買うのでだいぶ増えてきた。
六本木のデザインサイト21ー21は挑戦的な企画展がいつもおもしろくておすすめです。
次々生まれる新しい関心や興味が興味のなかった物に興味を持たせる…。
大人になってもその気持ちを失ってはいけない、それどころかミュージアムの楽しさは増すばかり。
500円の持つ価値を再確認しつつ遠出できない今だからこそ身の周りにある施設を見直してみよう。
何かおもしろい発見があるかもしれない。