All in my head

1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

メキシコ年越し大自然の港町 / LORETO 🇲🇽

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随分お久しぶりとなってしまったこのブログ。

 

今から書くのは前回の続き、そうそれはもうかなり前の話…。

昨年3月から9月にかけての半年間、スカイプリンセスでイギリスを拠点にヨーロッパ15カ国をクルーズした筆者。

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10月のバケーションは個人的にインドに呼ばれた気がして行ってみた。

しかし結果的にあのタイミングではなかった様。

 

パンデミック明け2回目の契約でアサインされた船はお久しぶりのダイヤモンドプリンセス。

カリフォルニア州サンディエゴ発着のメキシコ、中米そしてハワイへの1〜2週間クルーズが予定されていた。

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ゲストの9割以上がアメリカ人でその多くはカリフォルニア、そしてLas Vegasのあるネバダ、ユタ、アリゾナあたりに住んでいる(筆者調べ)。

ご存知の通りカリフォルニア、いやアメリカはとにかく広い。

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だいぶ俯瞰して西海岸よりの客層といったところ。

相変わらずマジョリティはオーバー50のご老人たち。

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待ち侘びたクルーズ再開、最初の寄港地。

それはアメリカから車で行けるメキシコのキャッチコピーで有名なバハ半島

日本人にはあまり馴染みのない場所かもしれない。

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レギュラーで行く寄港地は3ヶ所。

 

風光明媚な港町LORETO

国際空港がある半島の玄関口にしてメキシコ屈指のリゾートLA PAZ

そしてパリピが集まるナイトアウトタウンCABO SAN LUCAS

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どこも温暖でマリンアクティビティやトレイルなどアウトドア系の選択肢が豊富。

そのため自ずと服装も空気感もかなりカジュアルな船内の印象。

そこまで服装に厳格なクルーズラインではないゆえ着たい服を着ればいいと思う。

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ブリティッシュマーケット明け間もない筆者にとって知っている船というのもありものすごい脱力感だった。

タキシードからアロハシャツ、それくらいの違いだ。

だがアロハシャツはオンにもオフにもなる船内便利アイテムであるのは間違いない。

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さて今回の写真は半島中部に位置するロレトで撮影したものをチョイス。

筆者にとって初のメキシコであり全てが新鮮、これまで見た事のない色彩に心躍ったのを鮮明に覚えている。

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どうしても我々、メキシコと聞くと危険なイメージが先行してしまうかも知れない。

だがここバハ半島はそんな先入観を覆すと平和っぷり。

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広場で演奏するエル・マリアチ。

スペイン語はいくつかフレーズを覚えたがいざ街に出るとさっぱり分からない。

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しかし英語が通じれば、米ドルも使えたり。

街のサイズ感は今まで行ってきたどの港よりも小さめ。

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寄港はクルーズポートはなくテンダーボート(船の横についてるオレンジの緊急救命艇)で船と港間を行き来。

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お土産屋さんが集まるメインストリートを抜けちょっとしたイベントができるくらいの広場まで着たらほぼゴール。

信号のない控えめな交通量。

周りには学校、小さなスーパー、コンビニなどがあり現地の生活がよく見える距離感。

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コロナビールも作るメキシコのビールメーカーMODELO

 

船が来なかったらどれだけ静かなのだろうか、たまにふと思う。

なのでここは街を散策する楽しみよりかショアエクスカージョン(ツアー)で遠出するのが得策。

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街はお土産を買うために立ち寄り時間あればちょっと散策。

かなりクルーズ世代の需要にはマッチしている港と言えよう。

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ちなみに2023年の元日はここロレトで迎えた。

運よくボートでダイビングに行くツアーのホストに抜擢。

年越しパーティ(あまり記憶にない)を終えクルーバーに立ち寄り束の間の就寝。

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ツアー組のクルーは朝6時シアター集合。

朝7時の着港とともにツアーは優先的にボートに乗り込む。

 

海越しに見渡す地形には毎度ゾクゾクさせられるのがここの魅力。

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青空の下、船と車を乗り継ぎマリーナからいざ出港。

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ようこそと書かれたマットとホカオネオネ。

静寂に包まれた早朝の海にのぼる太陽の眩しさ。

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こんな初日の出はきっとこの先2度とないだろう。

無人島近くのスポットでダイビング。

しかし浅瀬すぎるのかほとんど魚はいなかったので、早めに切り上げ日光浴。

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アルコールのサービスもあり気分は上々。

ハイピッチなペースに真っ向勝負する自称マルガリータ職人のお兄さん。
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幸運なことに帰りの道中(水中)イルカの群れにも遭遇。

ちょっと出来すぎな外出時間をほろ酔いで終えた。

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バハ半島全体でホエールウォッチングが人気。

メキシコ〜アラスカ間で移動している色んな種類のクジラが見れる。

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街は小さくとも大きな観光のポテンシャルを秘めるロレト。

これからも訪れた人々を笑顔にし続けるだろう。

 

次回はバハ半島続編、La Pazです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

Instagram @imkntoはリアルタイムで更新しています。

そちらもどうぞ!

1000日ぶりのダイヤモンド再乗船 / SAN DIEGO 🇺🇸

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梅雨入り間近の2023年初夏。

突然だが長きに及んだ船中心の生活に別れを告げた。

窓から入る光を満喫し実家の猫とたわむれ、各国で仕入れた豆を挽きハンドドリップする幸せな時間。

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これが無職…また一から検討する今後の進路。

 

話は巻き戻り2022年、11月中旬。

スカイプリンセスを下船し単身インドでの休暇を終えた。

よくインドに行った人はインドに呼ばれたなどと言う。

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筆者もそんな気がしなくもなかった故、向かったがちょっと時期早々感が否めない。

健康なボディで帰国できただけ良しとしよう。

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ひとまず会社からの知らせでは次乗る予定の船はオーストラリア、シドニー乗船のマジェスティックプリンセス。

オーストラリアをメインにクルーズしてから北上。東南アジアの島々を経由し太平洋へ。

ハワイから長いシーデイを超えバンクーバー、アラスカクルーズに突入したところで任期満了…。

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そんな航路があるのか、、どんな6カ月になるのか期待していたところ。

人事から届く一通のメール。

ある程度の覚悟は出来ていた。

この時期のローテーション変更はあるある。

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ダイヤモンドに乗れますか?

ついにきたか…。

もう少し早く再開するはずだったダイヤモンドはどういう訳かキャンセル続き。

断る選択肢もありそうなニュアンスの質問だがこれもまた神様のいたずら。

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San Francisco → San Diego

 

ダイヤモンドプリンセス再開の行き先。

アメリカ西海岸カリフォルニア州、サンディエゴ。

ダルビッシュが所属するパドレスのホームタウンびしてーそしてWBCでも使われた素敵なボールパークのある街。
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何度経験そても苦手なのが荷造り。

やはり船に来てからあれがないと後悔するいつものパターンだった。

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3カ月あるはずのバケーションを1ヶ月半で切り上げ前回同様、新大久保にある韓国美容室ミラクルで散髪とパーマ。

ワンオペのセムさんにまた半年後と言い残し。

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サンフランシスコからサンディエゴ空港までは3時間。

空港からクルーズターミナルは目と鼻の先の近さで着陸時の夜景に見覚えのある船を目視で確認。

 

パームツリー、乾いた風、心なしか寂れたダウンタウン。

リトルイタリー通りに面した前乗りホテルのテラスからの夜景は知らない世界の入り口。

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この広いアメリカ大陸、広いカリフォルニア。

なんと数少ないアメリカの友人がサンディエゴ在住というラッキー案件。

初めての土地にローカルガイドがいるほど心強いことはない。

チェックインして洗顔だけ済ましディナーへドライブ🚗
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サンディエゴ民おふくろの味、Phil's BBQ

+1 619-226-6333
https://maps.app.goo.gl/QAfuoQgc4jLqYHkAA?g_st=ic

 

フォークとナイフでは手強いので手でアメリカンにいただく。

濃ゆいタレに合う酸味の効いたコールスロー。

近くに語学学校があるらしく韓国人いっぱい。

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2次会はサーファー行きつけビーチ沿いのローカルバーガー、Hodad's

Hodad's Ocean Beach
+1 619-224-4623
https://maps.app.goo.gl/QQZWRD9EhriSgnSe8?g_st=ic

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締めとして念願のIN N OUT BURGERに来たのにお腹が限界。

やむなくTシャツだけ購入。

大満足の時間を過ごし解散、後日船にビジターで招待。

しかしここのバーガーは最後まで食べそびれたのでした。

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翌日に乗船を控えた深夜ノック音が。

怪しいので放置していたら再来。なんとまさかの相部屋。

それもインド!これも何かの縁か。

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乗船当日、同い年のウクライナガールも加わり船チームと合流。

Welcome Back と言われまさにその通りだと痛感、当時の惨劇を知るのは私だけ。

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みなが本当の笑顔の写真はこれが最初で最後になるとはこの時知るはずもなく。

ゲスト気分で浮き足立つまま船を散策。

アプリ、メダリオン関連のオーシャンフロントが新設されフォトギャラリーのスペースは半分になったり少なからず変化もある船内。

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サンディエゴの夜景を眺めながら入るお風呂♨︎

夜空は君への滑走路〜と口ずさみながらひっきりなしに離着陸を繰り返す飛行機。

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2年前、我々クルーが下船してからもオフィサーやエンジン、セキュリティなどは人知れず残り続けメンテナンスをしていたのが見てとれた。

仕事とはいえ大変ありがたい。

色んな感情が込み上げる出航前夜だった。

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約1000日。

横浜で全乗客の下船を見守ってからもうそんなにたったのか。

Time flies,,,と言わんばかり時間は飛ぶように過ぎ。

 

 

新たなスタート。ボンボヤージュ

一世一代の船旅、心に残る街と食

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秋晴れの朝、始まりがあれば終わりがあると実感する瞬間の訪れ。

予定されていた下船日から1週間だけ延長した9月末某日、惜しまれつつ?下船の時を迎えた。

 

着岸したのはサウザンプトンMAYFLOWERクルーズターミナル。

同じ湾岸沿いにあるクイーンエリザベスⅡターミナルの時も多くあったが今回は乗船したのと同じ港。

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ここサウザンプトンを拠点に6ヶ月間で計15ヶ国。

見知らぬ土地での大冒険はまさに心を奪われる体験の連続であった。

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何枚写真を撮ったのだろう、思い出大量生産。

いまだにインスタグラムにはポストしきれていない下書きがたくさん。(@imknto)

 

ここでもしどこか一つ、今回1番良かった寄港地を聞かれたら…

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スウェーデンの島ゴットランドビスビーと答えるだろう。

別名バルト海の楽園

何度思い返してもその響きに嘘は見当たらない。

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島のアイコンであるVISBY CATHEDRAL(サンタ・マリア大聖堂)。

その裏手にある石の階段を登った先には街を一望できる高台がある。

 

そこに降り注ぐ陽光。花の香りを纏った春風。

幸せに満ちた空気を感じながら芝生で寝そべればそこはもう思い描く北欧の先、

ちょっとハイ。

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そして後から知ったがどうやらこの地は「魔女の宅急便」のモデルになったとか。

ふと入ったカフェのシナモンロールがまた美味しい。

テラス文化が恋しい。

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Mirells
+46 10 199 40 98
https://maps.app.goo.gl/SfhpJ4QphqSFGDWaA?g_st=ic

 

続いて食ランキングはスペインの単独優勝。

なぜならほぼほぼスペインでしか外食していないから…

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グランカナリアのビーチ沿いレストランで頂いたイベリコポーク。

その中でもA CORUÑAからツアーで訪れたサンチャゴ・デ・コンポステラムール貝の何か。

これが個人的第1位。

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ビールを頼んだらお通し感覚で振る舞ってくれた一品(ノーチャージ)。

貝の出汁が溶け込むドロドロ濃厚パプリカ風ピリ辛ソース。

 

思わず日本語でうまっと呟いた。店員さんに去り際,

gracias, es delicioso。

この数時間後は仕事だけれど…ビールがいつも以上に美味かったラストクルーズ、ラストショアリーブ。

La cueva del tigre rabioso
https://maps.app.goo.gl/Uh9JP8hWwHi5N5NG8?g_st=i

 

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ここのエッグタルトも衝撃。

Lisbon Natas Ateliê
https://maps.app.goo.gl/5Exu9YSbX3dUP33L9?g_st=ic

 

巡礼路の最終目的地であるこの街。

800キロにわたる道のりを終えた喜びを分かち合う人たちの晴れやかな表情はとっても素敵だった。

エルサレム、ローマに次いでキリスト教三大聖地の一つ。

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寄港地の時間を存分に楽しみ船に戻る。

街の余韻から醒めないままポートレートを撮ることもしばしば。

ゲストとその日の出来事について話すことも多くエピソード的には自分の方が楽しんでるのでは…と思うことも。

 

ここに限らずともスペイン、それもバスク地方は美味しい。

なおかつ驚きの安さ、人まで優しいから逆に困る。

スペイン語分からないけれど、本当に穏やかで威圧感みたいなものが全くない。

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バスク風ではなく本物のバスクチーズケーキ。

2ユーロを渡したらその分カットしれくれる。味は言うまでもなく◎

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基本はパン、卵にハム。あわせてビール、外だったら白ワインもありだ。

締めにエスプレッソ。

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仕事があり、食べ物があり、寝るところ(帰るところ)がある。

改めて船のいいところ。

撮影、営業、売上などなどブリティッシュマーケットで頑張った成果は数字にしっかり表れていた。

まだまだ英語は改善の余地があるものの…足りない分はガッツと残業でカバー。

 

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そして最後の1週間クルーズでついにシャンパウォーターフォールがカムバック。

フォーマルナイトの雰囲気はコロナ前と比べても遜色ないまでに。

ここは相変わらずマネージャーの撮影ポイント。

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とにかく大きな問題なく(コロナ陽性になったり、タイムキーピングでワーニングくらったり、ストックホルムで電車が止まりUberで1時間、港から船までの桟橋を全力で走ったり、、色んなことがあったけど…)何とかコントラクトを満了できたことは素直に嬉しい。

 

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本当にあっという間の半年間。

楽しく過ごせたのは周りのクルー、マネジメントそして何組かは必ずいるナイスなゲストのお陰。

毎日、毎クルーズ違った面白みがあった。

いつかこれから、船を辞め何か別の仕事に就き落ち着いた時。

この思い出を糧に生きていけたら何か良い話かも。

 

2022年、旅はまだ続きます。

 

 

船上フォトグラファーの1クルーズ

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待望の乗船を果たしたスカイプリンセス。

フォトグラファーの筆者は今日もヨーロッパのどこかで航海を進めている。

拠点となるのはイギリス南部の港町、サウザンプトン

プリンセス以外にもキュナード、MSC、セレブリティ、ノルウェージャン、P&Oといった世界を代表するクルーズラインが就航。

北西ヨーロッパクルーズの入り口といえる。

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北欧、バルト海そして地中海と様々な気候を旅する日常。

肌寒さの残るエンバケーション、

春風爽やかなエンバケーション、

そして真夏の陽射しが照りつける炎天下エンバケーション。

唯一季節の変わり目をしっかり感じられるのはターンアラウンドのサウザンプトンだ。

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早いもので気づけばもうコントラクトの折り返し。

今のところ予定通りゲストと共にクルーズ出来ているのは何よりの喜び。

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土曜日の朝。

ターミナルを埋め尽くす下船したゲストのスーツケース。

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昼前の11時、下船を終え新たなゲストが乗船を開始。

乗客数はクルーズ(航路)によってかなり差があるものの、一週間クルーズの場合はフルキャパシティの3700〜800人が乗船。

ついに活気溢れる船内がかえってきた!

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無人の船内を知ってしまった以上、それだけでもエモーショナルな光景。

現状マスクは必須でなくなりあくまで推奨という形。

オープンデックやギャングウェイなどオープンエアかつゲストとの距離が保てていれば我々もマスクは強制ではない。

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キャプテンスタンリーも長い冬眠からお目覚め。

出航時のSail Awayパーティから感じる凄まじい熱気。

初日の雰囲気、バイブスでだいたい把握できるゲストの期待値。

それらはクルーズの売り上げを大きく左右する。

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大抵2日目はシーデイ、(日航海日)。

1週間クルーズ場合家族の域を超え親族御一行で乗船するゲストも少なくない。

イギリスでは連休まとめて1週間くらい普通に取れてしまうのか…。

プールサイドは朝から家族連れでごった返す。

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溢れる笑顔と歓声。

デッキ16階はプール、ジャグジーそしてブッフェ。

食べて寝て遊んでを繰り返してたらフォーマルナイトの時間。

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私たちもネクタイを占めドレスアップ、いつもより気合いが入る。

どの船も使うカメラはニコンd7200、シグマの17mm〜50mmレンズ。

船の華ともいえるアートリウムが筆者の定位置になった2カ月目の終わり。

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景色が良い船の中心、写真もセンターを決めて垂直、水平がとても大切。

空間を真っ直ぐ撮るのは意外と難しい。

パンデミック以降ダイニング撮影がなくなったこともありポートレートの質が売り上げに直結。

家族、子どもの多い1週間クルーズは大変な賑わい。

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一呼吸おく間もないほど次から次へ来るゲスト。

長蛇の列が出来る時も、、そんな時はポージング少なめの質意識でパパッと撮って次。

あまり待ってはくれないブリティッシュ

スタジオの営業もしつつ少なくても600〜多いと900枚、約45〜60組を約4時間半かけて撮影。

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ミュージシャンのゴメスがモデルになってくれた。

ちゃんとポージングして少し笑ってくれるだけで十分な人たちが大半で特に何もしなくても映えるのは少々羨ましい。

片付け、撤収し終わるのは11時過ぎ…出来が良ければ心地良い疲労感。

フォーマルナイトは1週間クルーズで2回、2週間の場合は3回開催される。

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●クルーの醍醐味ショアリーブ

シーデイ挟めば寄港地に到着、待ち侘びたポートデイ

仕事があるからこその休み。

乗船したその日から船内サニテーションレベルが2から1に引き下げられたお陰でコロナ前同様、自由な外出が可能に。

乗船時、1番の心配事はタイミング良く解決。

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大歓迎の初耳寄港地。

親しみのなかった地図上に写真と思い出がどんどん増えていく新感覚。

景色はどこもとにかく目の保養。

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プライベートタイムを楽しむ一時。

これまで寄港した国はスペイン、カナリア諸島ジブラルタルポルトガル、フランス、イタリア、ノルウェースウェーデンデンマーク、ドイツ、エストニアアイスランド…。

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これがヨーロッパの船旅か。

まるで実感がないが増え続ける写真が証拠。

本音を言えばもう少し時間が欲しい。

出来ればオーバーナイトしたいなと切に思うがそこは宇多田ヒカル2時間だけのバカンス

足りないくらいがちょうどいいのかもしれない。

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写真はまた後ほどまとめようと思う。

 

●クルーズのエンディング、ラストシーデイ

最終日はほぼほぼ終日航海日。

総売り上げの70〜80%を占めるこの日、チーム全員で撮りためた写真を一気にアウトレット。

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デジタルシップのスカイプリンセス、ギャラリーにて顔認証搭載のタッチパネルで写真を選ぶ。

デジタルファイルはその場でQRコードを読み込むだけ、とっても簡単。

プリントは希望する場合のみ印刷と非常に効率的に。

時代は令和だ、、ブリティッシュ関係ないけど。

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さらにマグカップやメタルパネル、フォトブロックなどこれまでになかった新事業が加わりこれまで以上に船の写真屋さん気分。

写真をよく撮るゲストとは顔見知り以上に親しくなるもの。

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キッズが心を開いてくれれば(親の教育次第)ユーススタッフにだってなれる。

別れが惜しい。

朝から晩(時には深夜)までオーダーに追われながらも忙しさより写真がゲストの手元に届くやりがいが勝つ1日。

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食事する時間もままならないので朝食しっかりと。

最終日のラストシーデイは時間があっという間に過ぎる。

最終日の終盤、売り上げ目標を達成すればご褒美をもらった気分。

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そこまでセールスを意識し仕事している自負はないけれど。

より良いイメージを追求し期待以上の写真が撮れれば必然と物事はうまくいく。

写真以外にもチームメイトから学ぶことはたくさん。

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やはり船での生活は刺激に満ち何より楽しい毎日。

時には温泉に浸かりたいし無償にラーメンが食べたくなるけれど。

異国の地(海)でもう少し武者修行に励もう。

 

空港から港へ久しぶりの海外、さあ船に乗ろう

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桜も散った3月の終わり。

今年で28歳になる筆者の門出。

長いこと眠っていたパスポートと船員手帳を手にいよいよ出国の時。

 

地元からバスで向かった羽田空港国際ターミナル。

しかし1〜3のどのターミナルで降りれば調べるのを忘れていた。

このミスは国内外問わず何度もやっているのに、、学ばない…。

 

迷う事は時として楽しく、その過程で見つかる何かが結果的に面白かったりする。

だがターミナル間で迷うのはシンプルに時間の無駄。

ググった結果第3ターミナルと判明。

 

閑散としたターミナル内。

メールで添付されたチケットを無事にゲット。

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●海外の空気感、トランジットのトルコ、イスタンブール空港

 

少ない乗客のほとんどがヨーロッパへの乗り継ぎだろう。

初めてのトルコ航空、中東系の美人CAさんはまるで広告。

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出発直前の自販機で購入したストレートティーが驚くほど美味しくて。

 

機内は横3列貸切。

機内食付き、11時間半のフライト。

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夜明け前、朝5時イスタンブール上空。

久々に目にする海外の光景を窓越し目に焼き付けた。

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煌びやかな夜景の街並みとは対照的な闇夜に浮かぶ濃ゆい橙色の三日月。

真っ黒な海にまとまりなく浮かぶ夥しい数のタンカー、漁船。

 

艶やかで一際大きなモスクのサイズ感は出国の数日前に訪れた都内のジャーミー(モスク)とは比べ物にならないのだろう。

膨らむ妄想。

 

無数の街灯がアリの巣のように拡がる小道を照らす。

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乗り継ぎのイスタンブール空港到着。

これは、デカい…。

驚きを隠せない空港のキャパシティ。

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早朝にも関わらず見たことない数の便が分刻みで発着する。

同じトルコ航空、荷物そのまま。

トランジットは2時間でしっかり時間余ったのは成長。

自分へのご褒美にスタバへ。

品揃え豊富なサンドイッチ。

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久しぶりに英語で注文、脳内で円換算出来ない通貨。

トルコはいつかゆっくり行きたい。

受け取ったカップの名前はkentel。

きっと発音のせいだなと反省。

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さあ後はロンドンまで4時間、もう一眠りでもすればヨーロッパ。

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しかし濃霧で遅れる出発。

機内でしばし待機。

するとアナウンスもなく周りが続々と離席するのでCAさんに質問。

どうやら一度は全員機内を出ないといけないらしい。

言って欲しいな。

 

●乗船目前、ヒースロー空港にて待ち受ける試練
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満席のフライトを終えロンドン、ヒースロー空港に到着。

結果2時間以上遅れ。

パスポートチェックには長蛇の列。

よっぽど時間に追われているのかガンガン割り込む一部の人々。

早朝から苛つく大多数、とても不穏な雰囲気に包まれている。

 

有人と無人の二手に別れたイミグレーション。

日本のパスポートは幸い無人のマシンを通すだけだが肝心のマシンがなかなか気分屋な様子。

先行く人をどんどん弾いている…。

同い年くらいであろう日本人らしき男性は何度も試すが失敗、苛立ちながら有人の大行列へ。

その背中に漂う悲壮感と焦り。

 

いざマイターン…。

パスポートをかざす、しっかり弾かれもう一度の表示。

大丈夫、想定内だ。

確かに時間はかなり押しているが今は関係ない、もう一度。

 

願いが叶ったのは3度目。

改札を通過しこれで少しは遅れを取り戻せると思った矢先…。

羽田で預けた荷物がなぜか出てこない。

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待つこと1時間半、これは初めてのパターン。

ラゲッジロストの電話番号もらっても電波ないし、電話借りようとしたら断られ。

今日乗船出来ないと次は2週間後。

 

他のレーンを探したら普通にあった!!何のアナウンスもなく変わるラゲッジレーン。

言って欲しいな。

どうやらヨーロッパの空港は現状、コロナでの減便や賃上げのストライキなど不安定な労働環境でかなりよろしくない状況にあるらしい。

海外の洗礼ではないが手元にあるだけマシと思おう。

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出口にてSky Princess Crewのボードを掲げるポートエージェントの女性を無事発見。

サウザンプトンまでは高速で1時間半。

思ってたよりか近い。

知らない土地はやはりワクワクする。

 

殺風景な牧場を横目に筆者を含め3人。

追い越し車線をかっ飛ばすフォードのバン。

1人はイタリア人のギターリスト、もう1人はコロンビア人のウエイター。

そこまで盛り上がるネタがある訳でもなく、ありきたりな会話でその場をやり過ごすには少々長い道のり。

寝たふりでもかます

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サウザンプトンの看板で高速を降りる。

可愛らしい木造の一軒家が1列に立ち並び、市街地には学校やショッピングセンター、IKEAも出現。

 

ふとしたタイミングから話に加わっていた運転手のエージェント、唐突に指差す先にある墓地。

そこはなんとタイタニックの犠牲者が眠るとか…。

更に盛り上がりづらいトリビア仕入れたとこでコンテナポートに到着。

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リアルな英語を耳にするのは久しぶりとかの次元ではなく、聞き取れないブリティッシュイングリッシュの発音。

震えてきた。

いよいよ船の全貌が視界に映る。

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あれ、これはけっこう大きいよな、バグるサイズ感。

330m、東京タワーとほぼ同じ。

ターミナルにはエンバケーション(乗船)を待つ長蛇の列、そしてそのほとんどがホワイトご老人。

野球で例えるならここはメジャー、クルーズのいわば本場でこれから彼らの写真を撮るのか。

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その瞬間から仕事モードに切り替わる。

高鳴る胸に落ち着けと言い聞かせる意味で一服。

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エンバケーションが2年ぶりだなんてまるで嘘のよう。

乗船前最後の検査をも陰性でパス。

いよいよ乗船、一歩一歩踏み締めるギャングウェイ(港から船にかかる渡り橋)。

船を目にした安堵の気分なのか、込み上げてくる興奮からか自然と笑みがこぼれた。

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Hello, Welcome aboard!』の声が近づいてくる。

笑顔で出迎えるフィリピン人セキュリティ。

お〜ジャパン!コンニチワ〜とってもフレンドリーで気さくなな彼らの一挙手一投足に当時のダイヤモンドプリンセスでの日常が蘇る。

2回目の帰ってきたんだ…。

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クルーオフィスへ向かうクルーエレベーター(ブリティッシュイングリッシュではリフト)でフィリピン人マネージャーにピックアップされ無事チームに合流。

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こうして羽田からの長旅を終えついに乗船の時を迎えた。

正直なところ前乗りからのロンドン1泊させてくれてもいいじゃない…。

 

待ち侘びた、未知との遭遇が続く半年間。

カリブ海シーズンを終えマイアミから大西洋を超えヨーロッパにやってきたスカイプリンセス。

アメリカ〜ヨーロッパの行き来は大手のクルーズ船では頻繁にあり特に珍しいことではない。

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ゲスト2800人を迎え入れポルトガルリスボンそしてスペイン、カナリア諸島へ出航。

海外から海外クルーズ、新たな冒険の始まり。

国内脱出 待ち侘びた吉報

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あの日から2年が経った2022年春。

気づけば久しぶりの投稿になってしまった。

西表島でのリゾバから北海道での帆立養殖の手伝い、大手町でのワクチン接種会場運営バイトなど転々とした後、縁あって静岡の伊東にたどり着いた昨年夏。

伊豆高原にあるバリ風リゾートホテルでアルバイト。

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穏やかな気候と豊かな自然は南国の雰囲気。

都心からのアクセスもよく、幅広い世代に喜ばれるサービスは口コミで広まり忙しく過ごしていた。

https://www.andaresort.jp/

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1Kの寮を拠点に新たな生活。

シフトの更新で月日の変わり目を、新たなコースメニューの発表で季節の変わり目に過ぎる季節を感じるのだった。

ただこれといって特に記事にするような出来事もなく。

時たま出かけては数枚写真を撮り加工するが、文面にする言葉が出てこなかった。

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検温とマスクが必要不可欠な世界で夢見る乗船。

それに必要な幾つかの書類は既に有効期限が過ぎてしまったので再取得。

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レストランから見える相模湾

天気が良いと伊豆大島を一望。

ゆっくり進むタンカーを見つけ脳内でプリンセスの船にすり替えてみるが思い描けない輪郭。

どれくらい大きかったかのだろう。

もう正直分からない。

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最近乗った船といえば帆立漁船だ。

八雲の漁師、碇さんファミリーに大変お世話になりました。

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沖縄ブルーな海、ドス黒い北海道の海、相模湾

気づけば海の近くから離れられなあい体質に。

どこの海であろうと晴れた日にはクルーズ日和だなとつぶやいてしまう。

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いつかは客船に戻れると漠然に信じていても、それを口にすることはなく、自分の中で消化するしかないほど再乗船は非現実的に思えた。

 

●Return to sailing…晴天の霹靂

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長引くコロナ禍に負けず前を向くため。

年内GW明けまでに進展がなければクルー生活にピリオドを打つ。

そんな胸中で迎えた早咲きの桜が花開いた3月。

仕事前、職場の近くにあるラーメン屋へ向かう道中、何気なく開いたメール。

自然と足が止まった。

見慣れないメールのタイトルと共に続く英文にじっくり目を通す。

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急な空きがフォトポジションでうまれたが興味はあるか、もしあるのなら最短でいつから乗れるか教えてほしいという内容。

しばらく音沙汰無かったのに。

サプライズ好きなシンガポールの人事部。

断る理由は見当たらない。

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その当日職場に相談、急で申し訳ないが働けるのは月末までになるかもしれないと伝えた。

 

●Confirmation...乗船確定

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正式に乗る船が決まったのはメールが来てから3日後。

イギリス、サウザンプトン乗船のスカイプリンセス。

コロナ禍で船を手放し投資した最先端技術、メダリオンクラス搭載のロイヤルクラスのひとつ。

 

これは現実なのだろうか。

 

突如出現した眩い未来、整理しきれない脳内。

まさに願ったり叶ったりの展開なのだけれど。

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思い返せばこの道を選んだのはもう4年も前。

飛鳥Ⅱに書類で落ちたところから始まった船員としての進路。

ずっと憧れてきた300mオーバーのメガシップ、アジアマーケットを越えるという目標。f:id:Imknto:20220526184951j:image

どちらも満たす形だ。

自身初ヨーロッパ、航路はまるで違う世界かのよう。

3000人以上のイギリス人ゲストを相手にする。

日本マーケットしか知らないのは紛れもない事実。

長年目指してきた英語環境の究極はまさにここ、ジャパニーズもやれば出来るんだ。

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地元のアウトレットでもしもの時のため購入した新品スーツケースを開封

しかし久しぶりすぎて手が止まるパッキング。

必死に船内での生活を思い返す。

ヨーロッパの春、北欧はまだ寒いのか。

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ダウンジャケットを着込み白い息を吐くイングランドプレミアリーグの観衆が浮かぶ。

しかしスペインはアフリカにだいぶ近い。

掴めない土地勘、季節感。

 

分からないって楽しい。

 

荷造りは楽しい旅の瞬間の1つだ。

ひとまず何となくのイメージで必要そうなものを詰めこむ。

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とはいえ問題はやはりパンデミックだろう。

無人の船内を忘れることはない。

2度とあのような事が起きないように。

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ウイルスとの戦いは今後も続き、不穏な世界情勢と深く関わるクルーズ業界。

しかしそれはいくら考えても仕方のないこと。

 

今は自分が所属するフォトデパートメントでどれだけ頑張れるか。

数あるクルーズラインから理由はどうあれプリンセスクルーズを選び、乗船を楽しみにしているゲストをいかにハッピーにできるかが大事。

 

会社が苦しい時期を乗り越えれたのは乗船を楽しみにフューチャークルーズにデポジットしてくれた彼らの存在があるから。

そんなゲストなしでは成り立たないビジネス、感謝の心を忘れずに。

もうすぐ始まる真新しい体験。

想像するだけで胸が躍る。

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伊豆に別れを告げ実家に帰省。

携帯は一時的に解約し、地元の歯医者で検診。

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ちょっと断捨離したらもう出国72時間前。

最後は猫に挨拶。

2年間しまいこんでいた色んな感情が爆発するには少々時間足らずだ。

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あの時以来のPCR検査も無事陰性。

メールに添付される大量のファイルをコピーし1つずつチェック。

 

忘れ物があってもダイヤモンドなら何とかなったが今回は話が違う。

荷造りを終え最寄り駅から空港へ行くバスに乗り込む。

 

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準備は整った。

続く。

 

荒波日帰り旅 晴れ間を願う波照間島

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春を告げる…今さらではあるがなんと良い曲だろうか。

自粛続きの閉塞感に包まれた世界を切り裂くエモい歌詞に颯爽と駆け抜けるメロディ。

スローテンポなファーストテイクverはスピーカーよりもイヤホン、ヘッドホンで夜じっくり聴き入るが重くならないのが魅力。

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救いのない緊急事態宣言解除後の現状。

我々の唯一とも言える希望ワクチンの壊滅的な普及スピードを踏まえれば、先日発表された年内のPクルーズ中止は当然と言える。

Sクルーズ時代の同僚で観光地バリ島に住む友人はホスピタリティ系の仕事が全くないためコーヒーなどドリンクの路上販売を始めLike👍を押せば、結婚し守るべき存在増えたフィリピンクルーカップルの幸せそうな写真にはh

Heart💖をタップする。

皆それぞれ選んだ道を進んだ先にまた新たな春が来る。

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記憶は少し遡り時を戻そう。

『せっかく八重山にいるのだから行けるうちになるべく行かな』という西表島在住20年のボスの言葉をきっかけにこれまで西表から由布島、竹富島、小浜島、石垣ときた。

そして今回は西表の南に位置する日本最南端の有人島、八重山ライフのエンディングにふさわしき島波照間編。

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ただ波照間はそう気軽に行けるものではない。

最大の理由はフェリー欠航率の高さだ。

石垣のゲストハウスフレンズ御一行は晴れていても強風のため船が出ず結果的に4泊することに…最後は貨物船に乗って戻ったという。

時間に追われたくないゆえ波照間は泊まりで行きたかったが当日の天気が相当あやしい。

こっちは飛行機、むこうはバイト。行けても帰って来れないリスクは覚悟しよう。

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前夜祭はえいこ鮮魚店で。

リーズナブルな値段で新鮮な地魚がお腹いっぱい食べられる幸せなお店。

https://goo.gl/maps/wVfVtwPXZ3aDviA7A

当日あまり寝付けず朝6時起床。

まず安永観光のホームページから運航情報をチェック。

https://www.aneikankou.co.jp/

石垣〜波照間◎

天気予報の波の高さから諦めかけていた気持ちは再燃、船出るのなら行かねば。

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ふだんよりやや長めの船旅1時間コース。

風の影響で序盤はやや揺れるな程度だが西表を超えたあたりから船の心配をするほどの縦揺れが襲う。

手すりをたどりながら乗務員さんが前に座っている乗客の安否を確認し後部席への移動を勧める光景は初めてだった。

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船酔いしやすい人へのアドバイス

⚫︎前の方が上下に大きく揺れるのでなるべく後ろに座ること。

⚫︎船乗る前にあまり物を食べないこと。

⚫︎深く腰かけるよりか気持ち膝立ちで波に自分が乗ること。

クルーズ業界ではジンジャーエールが効くと言われているが信憑性は定かではない。

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ターミナルに到着すると宿やレンタサイクルのピックアップ車が数台。

島独特のスローライフに浸かった私たちは後で決めようと優先するはお手洗い。

するとまさかの数分で足早に退散し残ったのは助手席にペットの鳥を乗せたおじさんの一台のみ。

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あまり呂律がまわっていない気もするがかける曲が非常に良いのでオッケー。

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レンタルショップクマノミでおじさん(二日酔いひどめ)の勧めもあり電動自転車を選択。

ちなみに鳥はこの日初めて家の外に出したらしいがパニックでかわいそうだと言うことで以降はお蔵入り必至。

ぐだぐだ出発の筆者たちはなぜかお使いを頼まれ近所の売店で酎ハイを買ってからチャリ旅スタート。

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どんより空の下、500人の人口を考えても小さめで静かな集落を散策。

離島はどこも小中学校が同じで高校から石垣で寮生活する流れが大半らしい。

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カメラを向ける見知らぬ観光客にこの優しさよ、、島はいいな。

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沖縄の離島では冬に収穫期を迎えるサトウキビ、製糖工場の住み込み仕事の募集がある。

海好き、酒好き、日焼け気にならないの3つに該当すればきっと楽しめるはず。

https://ja-sato-kibi.okinawa/

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遊泳禁止のペムチ浜の楽しみは生い茂るジャングルを抜ける細道。

ザクッザクという足音と共に木々の背丈が低くなりパッと視界が開けビーチが広がるるあの感覚はクセになる。

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一度でもヤギの可愛さに気づいてしまうといくら低脂肪高タンパクでも喉通らない。

波照間は他の島よりヤギ多い気がする。

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老朽化している星空観測タワーはプラネタリウムも現在故障中らしいがここでは本物を楽しめるので悲観することはない。

南十字星を含めた満天の空が見たければ狙うは新月。

月が明るいと星は見えないという西表仕込みのライフハック。

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断崖絶壁に鎮座する日本最南端の碑。

その遥か彼方には船員手帳を必死に取得した地フィリピンが浮かぶ。

ここ一帯足場悪いのでサンダルでは無理しないように。

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お昼時売店は1時間お休みするこの島で営業してる飲食店を探すがテイクアウトでは物足りない。

しかもこの後はインスタで見たニシ浜でウミガメと泳ぐのだから最低限のエネルギー源に加え映え要素も欲しいところ。

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そんな願いを全て叶えるお店パーラーみんぴか
https://goo.gl/maps/TCvscubWfDVk1Mt47

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資生堂パーラーより先にパーラーデビュー。

人気はカキ氷だが筆者苦手…風が気持ちいいお座敷でカレー&コーヒーのコラボなだけでもアゲなのにシェフは筆者がニンニク好きなの知ってるのか。美味!!
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飲み口の厚さ、すり鉢状の深み、色まで素晴らしいマグにオーガニック穀物コーヒー(ノンカフェイン)は食物繊維豊富。

お腹にも優しいこのお店、そりゃもうお店オリジナルステッカー2つ購入。

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ハッピーな気分で店を出るとあれ、なんか晴れてきてません!?
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これが噂の波照間ブルーを眼下に望む。確かに青さは別次元かも…。

ちなみにニシ浜のシュノーケリングレンタルショップはクマノミおじさんの弟氏が経営。

https://goo.gl/maps/AqRPa35QnsSLWm916

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入口から見て左奥、かつ満潮の方がウミガメ見れる率高いとか。

まる1時間泳ぎ結果は2ウミガメ!!横で泳ぐとかではなく逃げるのを追っかけた感じだが目標達成に変わりなし。

無料のシャワー場には石鹸があり大変助かる。

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シュノーケルを返却し一服してると三味線CDデビューしたおじいさんが出現。

弟氏が太鼓を叩き歌い踊りしてたら帰りの時間に。

なんと素敵な1日だろうか、、帰りにクマノミ近くの売店にて波照間島の波照間さんが作る泡波を購入。

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おかげさまで無事帰りの安永観光が来てハッピーエンド。

帰りは行き以上に揺れボミットする人もいたけれど、、筆者は全然平気。。。

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石垣に戻り西表でお世話になった自転車を畳む。

なんなら波照間に持ち込むべきだったのでは?なんて思えばクマノミとの出会いもなかったはずなので考えない。

ピーチ国内線では自転車(スポーツ品)4000円で持ち込めることを知れたのが今回の収穫。

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夜はダウンタウンにてクマノミおじさんがご好意で紹介してくれた行きつけ居酒屋石垣ブルーへ。

お店のご夫婦に紹介で来たというととても嬉しそう。

つけにしといていいよとおじさんは言っていたが次回まで大切にとっておこう。

https://goo.gl/maps/eetkgofMhfb84vS17

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つまみが美味いゆえお酒がすすむ、、島豆腐のステーキに泡波コンボがハイライト。
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1日を通して不思議なまでにうまく物事が運んだこと、予想出来ないローカルな人たちとの縁。

思い返しながらハンモックで就寝を試みたがどうも落ち着かない。

いつかコロナの頃はヤバかったな、苦労したけどここに来てから楽しくなったなとビール片手に笑い飛ばせる日が来るのを信じたい。

ブルーな気分の日には美味しいものと良質な音楽が特効薬。後は早く寝よう。

八重山諸島での思い出を糧に筆者の進む道の先は気温差30度…北の大地北海道だ。