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1994年生。元客船クルーの航海日誌 / インスタ@imknto はリアルタイムで更新中!

基隆/台湾 クルーズ船でウエイター240連勤④ なくてはならない裏路地

筆者は裏路地が好きだ。知る人ぞ知る…とかローカル御用達…といった響きの地元の人たちに愛される美味しい料理はだいたい裏路地にあると信じているから。

初めて今回の裏路地、愛二路54巷を見つけたのは2回目の基隆ショアリーブの時。ここはいいぞと確信した。

まずは船を出ないと何も始まらないが本来使用するメインターミナルは現在改装工事中。

なので WEST PASSENGER TERMINAL からの外出。

裏路地への入り口はちょっとわかりづらく、老舗フィッシュボール屋さん魚丸伯仔の角を左折すると姿を表す。

筆者ワンピースが大好きで仕事選びも少なからず影響を受けているかもしれない…みなみに好きなキャラクターはクロコダイル。

裏路地の車幅はバイク二台同時には通れないほどしかない。でも抜け道のため結構なスピードで走り抜けてくので歩くときは気をつけてください。

● SENKI COFFEE / 三奇壹號咖啡館

初めてカフェの前を通った時、オーナーの奥さんが掃除をしていて挨拶したのがきっかけで足を運ぶように。お店のオープンお昼頃〜21:00。

休日で店が閉まってた時も中に呼ばれてサラダ作ってくれた日もあれば、買ってきた水餃子を店で一緒に食べた日もある。お店で飾る絵を描いて御馳走になった時は何度もあった。

家族に会えない契約期間、関心を持って接してくれた奥さんには感謝しかない。

家族経営で息子がバリスタをしているが、いつの間にか家族全員を把握。誰かしら店にいる人が自分に気づいてHi と言ってくれるようになった時にはもう外国にいる気はしない。基隆は完全にホームだ。

お気に入りの外の席で向かいの絵画の額縁屋さんを見ながら音楽を聴く。何も考えず無になるこの時間が無かったら最初の数ヶ月で挫折していたかもしれない。

お父さんが腹減ってるか?と唐突に聞いてきてご馳走してくれたチーズトーストは心底美味しかった。

本当に疲労困憊の時はほとんど口を聞かない日もあったが、店を出る時に一言、二言の励ましの言葉に勇気づけられ、また来週来るねと言い残せば下船の選択肢は消えていた。

紅茶からコーヒー、お酒までたくさんメニューがあるが炭酸が効いてるレモン珈琲はここでしか飲んだことがないオリジナルメニューなのだろう。

甘さはなくシュワシュワしたレモンの苦味が珈琲と相まって喉をかけぬける。湿気が多い夏に飲むこれは最高!スイーツも種類豊富だ。

柴犬のティアオティアオ♀は犬嫌いの筆者が唯一触れるワンちゃん。船では植物、動物を目にする機会がないから余計に可愛い。

寄港日が土日とかぶったりすると満席で座れないことも最近は増えてきて嬉しい。

海や船からインスピレーションを受けたイラストも港町らしさがあっておもしろい。店のロゴも船なのだ。

現在、オーナーはさらに隣のビルを購入しリノベーションを開始。かなり古い建物で伝統的な台湾建築らしいので内覧させてもらった。 時間はかかるかもしれないが民泊のようなホテルビジネスを画策中でまた基隆に行く楽しみが増えた。

愛二路54巷には他にも個性的なお店がたくさん。

● GOSPEL / 福音服飾

スニーカーフリークな筆者もここの品揃え、ストックには度肝を抜かれた。アパレルにおいてもローカルブランドのラインをしっかり取り揃え、服を買いに台北行く必要なし。スタッフ英語ペラペラだし恐るべし基隆。14:00〜22:00

● 空白服飾&金派甜點

階段を上がるだけで高ぶるテンション。高い天井のもと、古着の中でもミリタリー系に強い印象。雑貨やアクセサリーが独特のセンスでセレクトされている。3階はカフェになっている。14:00〜22:30

● ms.pork / 豬肉小姐服飾店

唯一無二のビンテージショップと言えるかもしれない。店員さんが大の親日家で留学経験もあり店内には日本語のファッション雑誌やカメラ雑誌がたくさんあり自分たちで服のリメイクもしている。

犬から数十メートル先に猫もいるこの裏路地にあるどの店もかなりマニアックに見えるかもしれないが根強いお客さんがしっかりいる。

台湾ではチェーンで展開しているお店より個人経営、家族経営のお店が圧倒的に日本に比べると多いだろう。そういった話を三奇珈琲のお父さんとしたことがあった。

地域密着型の傾向が強く、だからこそ少ない店舗に投資ができるのだろう。代々、こだわりや伝統は洗練されながら構築されていく過程で今の若い世代がグローバル要素を足しながら展開していったら台湾はもっと面白くなるだろう。

話が少し大きくなったが、この裏路地を訪れずれるだけで色んな考え方ができる。実はここ日本食料理屋さんもあるので敬遠せずに今度行ってみたい。 クルーになって以来なくてはならないストリートがここにはある。