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1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

乗船クルーの日常 / クルーズ船でウエイター240連勤⑤

現在もクルーズ船で契約社員として働く筆者だが、最初のコントラクトを終えて実感した率直な感想、意見を通してクルーズをより身近に知ってほしい。

クルーズ船に限らずアブノーマルな職場環境ではメリットとデメリットは顕著に現れるもの。

ネガティブなイメージが先行しがちだが客船で働く中で発見するメリットは意外と多いように思う。

乗船して最初の3ヶ月間の拠点はフィリピンのマニラ。

● 給料の8割は貯金!?生活費不要の職場環境

契約期間中、衣食住に費用がかからないのは大きなメリットと言えるだろう。

ユニフォームは会社が支給、食事も選ばなけば困らないし、寝る場所の心配もない。 オーストラリアワーホリの仕事がない期間、食べるものと寝るところでどれだけ苦労したか…船内ではそこに費やす金銭的なストレスから解放される。

● クルーキャビン(4人1部屋)

この船では乗員の部屋があるのは主に2階から4階( deck 2~4 )で海面下なのでもちろん窓はない。

よって朝日の入らない朝を240回迎え、洗濯物は乾燥機オンリー。天日干しは8ヶ月待ちとお日様の偉大さが身に染みる。

超絶閉鎖的環境で生きてゆくバイタリティとハングリー精神は必須要素。なおかつ同じアジア圏と言えど共同生活で垣間見る文化の違いは強烈なものでコミュニケーション能力だけでは補えない時もある。

日本人同士ですら違うのだからとまず自分が異文化を理解、そして柔軟に接することを意識しよう。

リサイクルショップで買ってきた中古のギターを弾こうと寝る時間じゃなければ別にいいし、どれだけガンダムがあっても自分の邪魔にならなければスルー。

この船ではクルー用のWiFiがなく部屋の固定電話(内線)で連絡を取るのが基本。

かかってくるのはクルーオフィス、他のキャビンから遊びのお誘い、クルーバーなどだが朝遅刻した時にレストランからの電話で起きるのが一番心苦しい。

オフィサーやマネージャーなどマネジメントのポジションの人はページャーと呼ばれる電話を携帯。

本も読むし言語学習も継続。2階の部屋〜12階のレストランまでエレベーターを計算しても5分。 アップダウンするだけの通勤時間と仕事以外の時間は自分次第。そう考えると自分の時間は普通に働くより取れるのかもしれない。

日本に停泊してる時はNHKが受信可能。甲子園と能見さん。

仕事用の革靴、サンダル、ジム用、外で遊ぶ用が2.3足…4人分並べたらすごい量に。

部屋を出てランドリーへ。船内あるあるだが最初はどちらが前か後ろかが分からない。それゆえにどちらも左が右かも分からない…船内図を見ながら進む。

哀愁が漂う同期の背中。 マニラの船員学校からレストランは違うものの一緒に頑張ってきた彼は悩んだ末、3ヶ月目に下船して元の生活に戻った。

本人の決断は尊重するしもうちょっと頑張ろうとは言えない。この環境で働き続けれる方がおかしいのだから。

● クルーランドリー

ランドリーは比較的新しく洗濯洗剤が自動的に出てくるタイプの洗濯機なのでダウニーなど柔軟剤を入れてはいけない事になっていた。

服が必要以上に香ると注意を受ける謎ルール。

ユニフォームはリネンに持っていって交換。もちろんクリーニング代も無料、自前なのは靴と靴下くらい。

散髪は船内屈指の副業で人気。カリアゲに関しては相当な技術者揃いでコンペティションとかしたら面白くなりそう…

彼もまた同じ日に乗船しフレンドリーに色々教えてくれたベトナム人のシェフ。彼に頼むと快く髪を切ってくれた。最初の数回は無料で切ってくれて悪いのでチップを渡した。

これらは私が働くブッフェレストランの食事の一部。食材の搬入は台湾なので中華系の人たちが喜びそうな食材と調理法。ザリガニは中国クルーズの時だったが一瞬でこの量がなくなった。

クレームはこれといって受けなかったから別に構わない。格安ショートクルーズを売りにしていただけにコスパには限界があるのは仕方ないが乗員用の食事はさらに限界を感じる内容。

● クルーメス (mess は軍用語で食堂の意味)

朝食は量に限りがあるチョコリングとコーンフレーク、ミルクの取り合い。朝早起きしないと食べれないご馳走。おかゆの何が美味しいのかまだ分からない。

肉より骨の方が面積が多いのが特徴の肉のカケラが油に浮いている…アドボはフィリピンのソウルフード。 魚を切るのは時間の無駄のよう…。

どこを食べるのだろうか?鱗見て鳥肌…まるで群れで泳いでようだ。船員学校の時から見てるがみんな割と普通に食べてるあたり文化の違いだろう。

ブッフェなので取りたいものだけだが気づけばプレートに何もよそってなかったりする。

お昼過ぎ3時過ぎに出てくる焼き立てパンは美味でジム終わりに食べれるよう時間を計算。ディナーの仕事終わり、待望の深夜食(supper)は時々ミラクルなまでに美味しいので要チェック。

スパイス効いたマレーシア風カレーと渡り蟹のチリソース。特にこの蟹は未だに食べたい味付け、完璧。

お湯はもちろん電子レンジもあるので夜食はわりと自由でお気に入りはオーストラリアワーホリからお世話になっているコスパ神のレペゼンインドネシア、ミゴレン。写真は中国の炸醤麺。

● クルーバー

クルーは飲まなきゃやってけない。

国境を越えても飲みニュケーションも健在で毎日朝食シフトがあって早く起きなくてはいけないけれどついつい行ってしまう。基本的に船外からのお酒の持ち込みができないためここで買ってここで飲む以外この船では方法がなかった。

ビールは地上より安く缶が約120円。カールスバーグ、アサヒ、チンタオ、タイガー…と銘柄は様々。赤ワインとコーラを割って飲むスペイン風カリモーチョも安上がりで良い。

フライドチキンとピザがささやかなご褒美。ウイスキー系のメニューはなし。なぜだ!?これも船会社によって違います。インドネシア系はムスリムだがアルコールもタバコも人によりけり。線引きは自分でやる様子…。

ここは人種で固まりがちで少数派チーム日本は同じく少数派韓国人グループと仲が良い。

● クルージム プロテインは必須アイテム。真剣に食べれそうなご飯がない日も栄養を摂取可能で言わば非常食。

体力仕事ではあったがジムは別物…と言いつつも体バキバキでストレッチして終りがちだがなるべく時間ができたら行くようにしていた。 もし体調が悪くなれば船内のメディカルで薬ももらえたりと福利厚生も最低限整っている。

● クループール 重い扉を開けると、、、オーシャンビュー!

一番見晴らしの良いお気に入り椅子。

最前方タイタニックスポットのところにあるクルー用プール。航海中は最高に気持ちいいが常に操舵室(ブリッジ)から見える位置にあるのでいつも若干の緊張感。

幾らかは乗船クルーの日常生活がイメージできただろうか? あくまで個人例ではあるが生活環境には事前の慣れが必要。バックパッカーで安い宿に止まったり、リゾートバイトして住み込みで働く生活を知っているとだいぶ応用が効く。

生活費がかからない、通勤時間5分、でもまだ船で働くメリットと言えるには弱いかもしれない…次に続く

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