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1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

富士吉田/ワーホリ前にリゾバをおすすめする3つの理由

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リゾバという言葉を聞いたことはあるだろうか?

リゾートバイトの略でシーズン中のスキー場や温泉地など日本全国のリゾート地で期間を決めて働くことができる。今回はそのリゾバの概要と自分の体験、そしてワーホリ(ワーキングホリデー)前にリゾバするメリットについて紹介したい。

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見つけ方

手順は簡単でリゾートバイトで検索、人材派遣会社に登録し希望のエリア、ポジションや時給などを入力、候補の中から選ぶとその施設を担当する会社の人から連絡がくる…という流れ。最短2週間〜長期まで様々でほとんどが寮などに住み込むスタイル。

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2015年2月

最短3ヶ月の契約で山梨県富士吉田市のとある旅館を選んだ。正確には地元の埼玉から遠くて行ったことない場所、かつ新幹線が開通し当時ニュースでよく目にしていたという理由から石川県の能登半島にある別の旅館に希望を出したが枠が埋まったか何かの理由でここを紹介された形に。

こういう予想外の出来事や偶然の縁が後々不思議と繋がるのでこういったシチュエーションは断らない方がいいと自分は思っている。
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当時20歳だった自分は高卒で入った会社を辞め念願の初海外旅行+一人旅 (台湾) に行き、けっこううまく回れたのもあり、ちょっとした手応えがありこれから自分がどうなっていくかが楽しみだった。

そして勢いそのままにワーキングホリデービザを使い海外にいこうと思っていたが少し冷静になった時、ふとワーホリの前に少し日本っぽい事を経験した方がいいのでは?と思いついたのがリゾバをしようと思った理由。

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就業する日時が決まり新宿バスタからバスで指定された駅へ向かうが、この旅費は大抵会社が負担してくれる。到着後、旅館の社員さんに車でピックアップしてもらい雪が残る道を横目に旅館へ。

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働くことになった旅館は富士山の麓にあり、求人通り仲番(旅館業界で名称が異なる)と呼ばれるポジションに就いた。宴会の設営がメインで厨房と仲居さんの中継役といったところ。基本的にお客さんとの直接的な接客はしない黒子の存在。

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1日の流れ

11時頃、担当する宴会場の食器を個人で集め、午後1時にミーティング、みんなで各部屋、宴会場をまわって座椅子やおしぼりなどの備品を並べていく。

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厨房に行き人数分の食事を取り分け持ち場の宴会場の冷蔵庫、温蔵庫で保温。

宴会中は簡単な調理補助、前菜からデザートまで10品ほどのコース料理を仲居さんに一品ずつ渡しては食べ終わった食器の処理という流れ。

終了後、宴会場に入りはたきと呼ばれる残飯処理、翌日の準備をしてミーティング、終わるのは夜の10時前後。朝食はビュッフェなので週に数回。食器洗いは地元の人たちがしていた。

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時には仲居さんからお菓子のプレゼントがある
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勤務時間は1日7〜9時間

時給1000円で予約の混み具合により毎週シフトが変わるが基本は週休2日。寮は無料で食事は朝昼夜、休みの日も出て月に5000円。(無料のところが大半だが休みの日はでないなど様々) ここは旅館の大浴場に入れるのも良かった。

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正面奥の赤い屋根の建物が寮で旅館まで徒歩5分。寮がある小さな山を登ると富士山と樹海が一望できる絶景が広がり息を呑む…

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ここからの眺めが本当に好き。

 

ワーホリする前にリゾバをおすすめる理由3つ

①日本の良さを知れるから。

②勉強する時間が確保できるから。

③ワーホリ、海外在住経験者がほぼ必ずいるから。

①から順に説明していきたい。日本の良さを知るとはつまり日本について少し客観的に考えるようになるということ。リゾート地のある場所は都心から離れ自然が豊か。海や山、温泉、食文化…日本の観光資源は我々が思う以上に魅力的で、行く先がどこであろうと短期であろうと実際に生活する事は貴重な経験になる。ホテル、特に旅館では和をいつも以上に意識し食器の柄、着物の色、季節で変わる料理の彩、日本庭園といった美しいものを毎日のように目にする機会はそうはない。水道水が美味しかったり、空気が澄んでたり、富士山が神々しかったりと日常の至るところに日本の良さを感じた。

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②の勉強時間が確保できる理由も地理的な要素が大きい。リゾート地はいわば田舎にあるため娯楽施設が周りに少ない。車があれば別だが買い物に頻繁に行くわけでもなく寮にいる時間は必然と増える。仕事も昼からが基本で朝はやることがない…散歩して勉強しよう。朝食から働く日も中抜けで出勤が夕方から。昼寝してから勉強しよう。とにかく規則的に時間が作れその時間をコントロールするは自分だけ。勉強だけでなく映画を観たり、本を読んだりと何かに没頭、集中できる時間は環境を変えないと作りづらいかもしれない。そしてあまりお金を使わないから少なからずワーホリ貯蓄にまわせる。

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類は友を呼ぶではないが③のワーホリ、海外滞在経験者が働いている可能性は高くそれは旅館の規模が大きければ大きいほどその人数も増える傾向。似た境遇や考え方の人と出会えるのもリゾバの魅力だ。どれだけのリゾバ、旅行に関する情報をネット上で集めても実際に海外生活を経験した人と話して教えてもらった情報、知識には代え難い。いい事だけでなく悪い事も聞いて対策を練る事もできるだろう。自分もちょうどワーホリでオーストラリアから帰ってきた人に会いたくさん質問した。写真を見せてもらい想像は膨らむ一方。その分英語の勉強にも熱が入る、そんな好循環ができていた。

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リゾバする場所を決める上で観光スポットとの距離は重要な要素の一つ!
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休みの日はもちろん外出が可能で休みがかぶった同僚と富士急ハイランドへ行くとこともあった。芝桜や少し足を伸ばして沼津に海鮮丼を食べに行ったり、御殿場アウトレットで買い物したりとリフレッシュ。朝の山を音楽聴きながら散歩するのも非日常的だった。

自然が豊かながら東京(新宿)へのバスも本数が多く日帰りもできる山梨は利便が良くておすすめ。夏は盆地で暑いので季節選びも大切。ただそんなこと言わず年間社員さん、パートさんとして旅館で働く人のは地元の人たちということを覚えておこう。

すぐに入れ替わる刹那的な働き方の自分たちを受け入れ、一から十まで教える向こうの立場で考えると胸が痛い。
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仲良くなると家族のように接してくれる地元のパートさん。手作りの唐揚げと餃子、お菓子をいただいたり、地元民おすすめスポットを教えてくれたり、話してくうちに訛りが自身についてたり…郷に従えスタイルで柔軟に対応しよう。

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せっかくのリゾバだから普段行かない場所へ行ってみるのもありだ。基本的には自分主体で選べるのだから遠慮することはないし交通費支給される場合がほとんど。

さらに候補の宿泊施設の客層、価格帯や口コミといった求人票だけでは分かりづらい周りの環境などの情報はグーグルマップで一目瞭然でリアルなロケーションを確認できる。

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新しい環境で知らない人たちと働くことに慣れるのは海外に働く、生活しようとしてる人にとってとても大切 。あいさつ、自己紹介の繰り返しは海外に行っても言葉が違うだけでやることは同じ。

人見知りとかいってる場合じゃない。また観光地によっては訪日客が増えているにもかかわらず英語、中国語でコミュニケーションできる人が不足している現状を考えるとリゾバにはメリットがたくさんある。

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いつもより寒い冬が終わり過ごしやすくなった5月、やっと手馴れてきた頃だったが計4ヶ月間のリゾバを終えたることにした。目標としていたワーキングホリデービザを旅館のフロントのwifiで自力で取得しオーストラリア行きを決めたから。

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まとめ

4年前の出来事を当時の心境を思い出して書いてみたがワーホリ前にリゾバを経験できて本当に良かったと感じるし、たった4か月だったが進路を決める上で大きな転機となった。

自分の無力さを知り、それが日に日にできるようになる感覚が達成感につながった。今でも山梨の富士吉田市が大好きで当時いっしょに働いた人、地元の人とも連絡を取っている。

もしワーホリしようか悩んでいたら短期でもいいのでリゾバしてみよう。なにかいいきっかけになるはずだ。