All in my head

1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

親方子方契約 陸地での新たな幕開け

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台風の影響もあってかなんともパッとしない天気が続く10月前半。

すぐ暗くなるこの季節に生活は一変した。

 

インテリア業者、カーテン屋さん見習いとなり朝5時半に起きて親方自宅まで自転車を走らせる日々が週に6回。

土曜日はお客さんとの立ち合いが増え、祝日もまた同じ。

業界を上げて休日を増やす努力をしているようだが厳しい現実が。

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朝6時から車を走らせ、7時には1件目の施工が始まる。

勝負は午前中で数軒周って資材センターに戻りその日の稼ぎを計算。

翌日の出庫を終えればもう夕暮れ、疲れ果ててすぐ眠りにつくそんな日々。

 

固定の休みは日曜日だけ、1ヶ月単位のバケーションを謳歌していたあの頃の自分からしたらこの働き方を続けれるか不安な気持ちだ。

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宿題もあり睡魔と戦いながら翌日分の図面を予習。

何が、どこに、どう付くか(カーテンの話)を想像できるようにならなくてはいけない。

※写真はモデルハウス

 

まだ始まって1ヶ月といえど実感するのは手に職をつける難しさ。

だが、それ以上に感じるのは随所に見受けられる自分の弱さや情けなさだったりする。

 

毎日教えられたことをメモしてるが結局それらは技術的なものより社会人として出来て当然の基本的な部分が大半。

年を重ねれば怒られる機会は自然と減り、まっさらな状態で何かに取り組んだり覚えたりという事は少なくなるのかもしれない。

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仕事を辞めて以降、鳥籠から脱出したかのように色んなところへ足を運んだ。

いつも新たな出会いがあり、一般的な生活を送っていたら見れなかっただろうなと思わせる景色も無数にあった。

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そんな中で次第に興味、関心が絞られラッキー要素も重なり成り行きまかせではあるがキャパをあげたこの5年間。

バイトに派遣に色々やったし、畑や船で働く貴重な機会にも恵まれた。

環境を変えて得る新たな刺激は生きるモチベーションになったのは紛れもない事実。

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嫌なこと、苦手なことから逃げたとしても行動してさえいればまたそこに新たな道が拓かれる。

それでいいと思うのだ。

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しかし長所は手放しで伸びても、性質、気質といった精神的な短所はそう簡単に変わらない。

感覚的でかなり適当、確認すれば済むような小さなミスを多発し、思いこみで間違え、横着。

そして痛い目を見るお決まりのパターン。

 

自分でそういった弱い部分をなんとなく分かってはいたがいまだに同じことを繰り返しているのは失敗から学べていないということ。

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そんな人間がこれまでなんとかなってきたのは心優しい廻りの人たちからのフォロー、そして若いから、経験が浅いという年齢的な理由で多めに見てもらえていたから。

自分の身は自分の腕、技量で守る職人業界では全く通用しない。

 

曲がったことが嫌いなthe職人タイプでズバズバモノを言う性格の親方とは10個年が離れているものの小さい頃から知る人物。

だからこそ遠慮なく目につく悪い部分を指摘しなぜダメか、どう改善すべきかを教えてれる。

元大工で仕事は一流、建具の仕事も引き受ける。

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ミスっては怒られ核心をつかれる自分はいつも図星で反論の余地なし。

最近はそれが連日続き自分に良さがあるのかわからなくなるほどズタボロ。笑顔なし。

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態度や姿勢、思考といった内面の部分でかっこ悪い、みっともない、ダサいと言われるのはきつい。

特に言い訳をしたり目が泳いだりするのは最悪。自分の言動で手を止め怒られていたら技術云々は遠い先の話。

 

ずっと子方では永遠に日給制で稼げない。

見てくれやファッションも清潔感があり地味なものをチョイス。

 

ハキハキ喋ってテキパキ動く。

面倒くさいと思うことほどちゃんとやる。

挨拶と返事。使ったものは元に戻す。

人の気持ちを考える。

 

このままではいつになってもどの分野でも一人前にはなれないとはっきり言われたがそれは自分でもわかっている。

仕事をアシストすることしか出来ない以上、凡事徹底ではないが準備、確認、片付けは完璧を目指さなくてはいけない。

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フォークリフトで後方ヨシと言い出してから普段の運転でも確認するように。

鍵閉めや点検なども声を出した方がミスは減る。

 

新築という大きな買い物をしたお客さんの気持ちを考えて採寸、施工した方がいい仕事ができるだろう。

全てにおいて船での仕事に置き換えても同じことが言える。

 

不思議な縁

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初めて月曜からフルで乗り越えた土曜日最後の一軒。

新居に越したたばかりのお客さん立ち会いでカーテンが取り付けられるか確認する窓枠の採寸作業時のこと。

とある一室、昔を懐かしむかのように壁に立てかけられた2枚のポートレート。

見覚えのあるバックグラウンドを背景に一本線入りの白いジャケットを着た女性が微笑み、もう一枚は同僚4人でポーズを決めている。

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間違いない…Pクルーズの元船員ではないか。

採寸を終えいつものようにあいさつをして玄関を出る。

声かけるか迷った末、ドアが閉まるタイミングで相棒の右京さんのように一つだけつかぬことをお聞きしますが、、と切り出す。

 

軒先での数秒の会話だった。

一瞬疲れを忘れたのも事実。

共通の知り合いが船にいたりと、世の中意外とスモールワールドなのかもしれない。

思いがけない場所で船関連の良い出会いがまた増えた。

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まとめ

コロナのせいにはしたくないが自分の立ち位置、居場所という意味で実家に戻り振り出しに戻った今、新たな見本とすべき型が隣にいる。

初の建築、建設業界、さらには同じ土俵に立って知る遠い父の背中。

 

気分がダウンになろうと夜には眠くなり気づけば朝が来てまた仕事で落ち込んでいる暇はなくあまりにも早い1週間に絶句しそうになる。

自分で決めたこと、、本音を言えばいつだって逃げたいし怒られる都度今日こそ辞めてリゾバ行ってやろうと思っているがもう少し頑張れば殻を破れるのではないかという少しの自分への期待も込めて。

 

10月末に26歳になりまた新たな挑戦。

できません、やれませんではなくどうしたらできるようになるかを考えて。

壁があったら超えていくのが男道だとすれば…どうにか踏ん張って頑張ろう。