陽の温もりが何とも心地良い2月上旬の石垣島。
静かな住宅地を抜け早まった日の出が照らす港へ向かう真っ直ぐな道。
ゆっくり焦らずがモットーなはずなのに前回同様、出航時間に追われ小走りなのがどこか悔しい。
朝8時の高速船に乗り石垣港から30分。
この日の目的地は八重山諸島中央に位置する小浜島。
横目に見える竹富島を懐かしむ時間すらあたえずグングン進む安永観光。
石垣〜西表間の1時間が基準の筆者にとってはあっという間。
港に着くとすぐ向かいにレンタルショップが数店。競合してる感皆無。
車はアウトオブ眼中、中型も免許がないとなると残る選択肢は自転車、電動自転車、原付。
小浜島のレンタル屋さん結さん特製マップを手に現在地からの大まかな島の外観とモデルコースの説明を受け2時間あれば周れるそうなので言われた通りにし出発。
石垣で滞在している宿の方から借りるは原付、そして可愛いヤギの赤ちゃんが名も無いビーチ付近にいるという情報を得ていた。
それはつまりuntitled…GDの曲にもあったななどと思いつつそ旅は始まる。
まず視界に飛び込んできたヤギの赤ちゃん(写真上)をこれがそれ?と疑問に思いながら写真を撮っていたが話し合いの結果子供ではないと判断。
しばし周りを見渡すと木陰に母ヤギと寄り添い合う可愛さマックスな子ヤギが3匹も。
名も無いビーチへと向かう道中には結構な数の買い手の無いペンションが。
ビーチの景色よりも白がくすみ廃墟待ちかのような家々の方が遥かに胸に残りトボトボと路肩に停めた方を見るとカラスが朝食のクリームブリュレを強襲しているではないか。
南の島で平和ボケしている自分が悪いのだろう…反省。嗚呼クリームブリュレ。
全然話は違うがバカリズムのOLネタで出てくる犬の名前がクリームブリュレちゃん。
失意の中、西表で働いてるホテルと同じ系列が運営するヴィラスタイルのリゾートホテルへ職場見学。
ゴルフコースが広大すぎてなかなかホテルにたどり着かず道を間違えてるのかと思ったほど。
ビーチエリアにはミニバンガローにオシャレな海の家、本の読める日陰スペースなどとても充実。
巨大シャコガイの灰皿にビーチの砂。前にジャングル後ろにベンチの100点に近い喫煙所。
普通にいつか泊まりたいと思ってしまったリゾナーレ小浜島でした。
Hoshino Resort Risonare Kohama island
0570-073-055
https://goo.gl/maps/t7E6CuyyppCLbEXe8
ここで1時間使ったのはハプニングというより必然か。レンタル延長の一報を入れる。
リゾナーレから島の中腹にある集落へ伸びるシュガーロードからの美しい眺め。
青と緑のコントラストに起伏のある一本道と電線。余計なものはいらない。
サトウキビの収穫も半分以上終わった様子で道の両脇には見渡す限り青々とした芝がそれも深めに生えている。
路肩に原付を寄せ芝に降り立つ一歩目がなだらかな傾斜になっておりそのままダイブ。
贅の極み。
芝とハンモックと浅い眠りは人生の中にあるチープな幸せの代表格。
瞑想モードに入り目をそっと閉じると風の音が次第に意識をかっさらってゆく…がふいにさっきのクリームブリュレを思い出しすぐ立ち上がって原付旅続行。
波照間でもそうだったが鍵は盗られるより失くすリスクの方が高いので差しっぱなしにするよう言われる。
3時間でもギリギリフラグが立ちはじめ急ぎ足で西表方面へ飛ばすと青すぎる海が見えてきた。この道が自転車だと本当にきつい。
ゴールである細崎(くばざき)ビーチの青さはちょっとレベル違う。
そして普段生活している西表を一歩外から引いて見た時その大きさ、強さに一種の畏れを抱いてしまうほど特別な場所かもしれない。
奥にはマンタのオブジェがのった展望台があり堤防で釣りを楽しむ人の姿も。
超平和な雰囲気のビーチを背に港へ来た道を戻るのであった。
原付とは便利な乗り物だとつくづく思う。
アップダウンをものともせず移動時間は削りたいが景色も楽しみたい…そんな願いを叶え普段運転しない人でもこの交通量なら安心なはず。
実際運転したのはインドネシアのバリ以来…今思うとよくあそこで走ったな。
Bob's Cafe
https://goo.gl/maps/xYY2uw9YgpF5HoFS9
レンタル屋さん結から数軒先の3階。
港を一望しながら至福の一杯。つまみに島野菜のピクルス…無敵。ハンバーガーとポテトでお腹を満たしようやくクリームブリュレから解放された。
大岳(うふだき)にある展望台からの壮大な景色は動画向きか。
船の時間まで余裕があったので集落を散策していると広い民家に暖簾を発見。
地元のおばあちゃんハンドメイドのサータアンダギーに初見のオリオンビアカクテル。
五感で味わう南国の味と空気はチルが過ぎる。
うふだき荘
https://goo.gl/maps/fezqyFWxTw9r81Vt5
客足が減った今でもこうして営業しているお店はいつも以上にありがたい。
石垣、竹富、小浜、西表それぞれが纏う異なる空気感。
血の気が騒ぐような高揚感もあれば自然の力を間近に震え鳥肌がたつこともある。
1日の終わりを迎えるのが嬉しいような悲しいような、そんな素直な感動に出会えたら嬉しく思う。
同じ時間軸にいながら異世界にいるような感覚を八重山諸島で是非体験してほしい。