All in my head

1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

目に見えない巨大な壁 独房シェアハウス東京

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陸生活4ヶ月目。

陸にいて楽しいのは美容室で髪を刈り上げられるのと友人に会えること、それ以外はわからない。

中学卒業以来、毎年会う友人の1人と地元の喫茶店でお茶をした。

今デザイナーとして働いており在宅での仕事が続く彼女と今年に入り色々あって話したいことだらけの筆者。

数時間話し会話の終わりにふと彼女が変な間がなくなったねと言った。

そうなのだ、、これまでよく黙り込むことが多く自分でも分かっていたがどうにもできなかった。

それがいくらかの会話術を船で覚えたのか、はたまた話のネタが増えたのか、Youtubeで中田敦彦の雑談についてのビデオを見たからか普通に会話のキャッチボールが成り立つ。

メガサイスのOBのアイスコーヒーがちょうどいい。

 

話は少し遡りindeedで短期アルバイトを探していた先月。

とあるゲストハウスが企画、運営するシェア街というものがありその動画編集、WEB編集できる人を募集していた。

シェア街とは提携する3、4箇所の宿泊施設をチケットを買うことで好きな時に利用できる仕組みらしく流動的でフレキシブルな暮らしが可能でどうやら台東区も後押してるとか。

実際にシェアハウスに住み不定期で入るであろう仕事をもらい結果的に家賃がマイナスになる仕組みをオンライン面接で説明された。

本来ならば外国人観光客向けのドミトリーで満室続出の人気アコモデーション、かなりの好レビューを獲得している。

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1階はオープンスペース、コワーキングスペースになっておりカフェ併設でお酒も提供。

週末にはスタンドアップコメディが定期的に開かれ実は一度、筆者も訪れたことがあった。

周りは住宅地でそういった外国人向けの施設が地元の人との国際交流する試みは素晴らしくそこで知り合った1人が家族で(たまたま)船にクルーズでゲストとして乗船したりとなかなか縁がある。

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そして届いたオンライン面接の結果は○、、既に倉庫バイトが決まっていたが両方出来るようにすればいい。

コロナは幾分落ち着きを見せているはいえこの時期に…とも思ったが受けてる以上はYES MANにならなくてはと快諾。

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シェアハウスに引越し/浅草橋

 

6月1日からいつものバックパック(Karrimor 45L)とアメアパトートバッグ2つ携えプチ引越し。

浅草橋駅からすぐの神田川には営業できずに浮いているだけの屋形船、船業界は規模関係なく受難の年だ。

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最安値の家賃(月3万)は今月までで7月から4.5に値上げする告知が住む前に届いていたが契約は1ヶ月更新。なのでまずは様子見の初日。

実家ではちょくちょく自炊するのでこの際とことん節約飯を極めてやろうと勝手に奮い立ちもやしや餡かけ用の片栗粉、何かと便利なトマト缶などを買い帰宅。

キッチンに入ろうとするとコワーキングスペースで作業するシェアハウスの社員に止められる予想外な展開に???が浮かぶ。

どうやらキッチンはここで働く運営サイドの社員のみが使用でき筆者のような一住人は使えないという。

二階に冷蔵庫とレンジ、湯沸かし器はあるからそれを使うように言われた。

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ここが2階の畳ラウンジ兼、我らの調理場。ここだけは靴を脱ぐジャパニーズスタイル。

派遣先の工場、休憩所の一角にも畳スペースがあるのは偶然か。

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冷蔵庫には名前を書いたステッカーを貼るルールがあるが、面倒くさいのでその場で飲み切る。

物が多すぎてあまり冷えてもいない上なぜかここの住人は納豆、豆腐好きが多い様。

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申し訳ないが滅多に納豆を食べない筆者、人の納豆をすする音が耐えられない…。

流しにはプロテインのシェイカーもあるしジムでもあるのだろうか、(近所にあった)タンパク質欲がすごい。

夜は住み込み社員が日替わりのディナーを作り私たち住人は500円で食べれるのだが参加する気一切なし。1人屋上でセブンで買った同じ値段のビビンバ丼を食べた夜もあった。

普通のシンクに食事した皿や箸を洗うので相当排水溝は詰まっているのだろう、嫌な匂いがする…

ゴミは管理人ポジションの住み込みスタッフさんがやってくれるので分別して捨てるだけ。

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しかしながらこの程度の設備は倉庫バイト先の休憩室にもある。

レンチンするにも丼がないからインスタントラーメンは作れないし…。

説明不足なのか、いや自分が聞かなかったのが悪い(普通キッチンは使えるかなんて聞かないが)。

ルールに従わなければ共同生活はやっていけず反論してもどうにもならそうだし1ヶ月分の家賃はもう払ってしまった。

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部屋

部屋は二段ベッド4つの8人部屋で住んでいるのは筆者を入れて5人。

中には住民票を移し完全な住処としている人もいて荷物が二段ベッドの一段に収まるはずがない。

1人だけスペイン人がいてちょろっと話したが彼もいつしか音も無くいなくなっていた。

2月にワーホリビザで来日していきなりコロナショックは辛いものがある。

来れただけでもラッキーと思えるかは彼次第だが、様子を見る限りあまりハッピーではなさそうで幸運を祈る。

他の人たちはと言うと会話という会話ななくそれぞれ仕事があるようで思い思いの生活をしており兼業でUberEatsをしている人も。自由な働き方を謳歌している模様。

そんな会話を背に黙りこむ筆者…一度キッチン案件で閉ざされた心の壁はそう簡単には開かない。

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シドニーの時のように何人部屋だろうと仲良く楽しくやれれば全てオーケーなのにと過去にすがる。

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共同のシャワールームは比較的きれいでシャンプー類完備。

ドライヤーもあるが朝9時〜夜11時のみ使用可能とうルールを無視して普通に朝8時に使う無反者もいるので基準は曖昧。

無言を避けるための挨拶だけして退散。

実は以前にもシェアハウスで生活していたことがあった…と言ってもいつも読んでくださっている読者の方々からしたら何の驚きもないと思うが。

その時の反省を踏まえ今回こそはと思っていたがまたしても暗雲が垂れ込める。

 

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初めてのシェアハウス / 八丁堀

 

銀座で酒屋バイトしていた2017年の3ヶ月間、クロスハウスという運営会社が仲介するシェアハウスで場所は中央区の八丁堀。

駅から徒歩3分の好立地、、これがリゾバ以外での初めての家出だった。

とにかく銀座へのアクセスが良く築地や八丁堀は夜型の生活をしている人が多く住むエリアで浜離宮恩賜公園も歩いて行ける。

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初期から見ているテラスハウス世代だけに憧れも少なからずあったが現実は厳しいものだった。

ビルの3.4階部分を改築した個室スタイルで20人ほどが住んでいたがとにかく狭い。

ベッドと戸棚があるだけの2、3畳の個室で仕切られ隣とは壁一枚なだけにアラーム禁止。

奇跡的に角部屋で窓があったのは救いかだが、ルール上友人すら呼んではいけない鎖国状態で家賃5.5万。

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隣の建物が銭湯で週2のペースでお風呂。洗濯機はコインランドリーとあまり経済的ではない。

東京の人口は増える一途だが実際シェアハウスや出稼ぎなどの短期滞在者も含めたらとんでもない数になるのだろう。

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キッチンはあったが散らかっており米すら炊かなかったがここでも仲良くなるのはコリアン。

オーストラリアから何かと縁があるのか彼は帰宅時間が重なるとよく自分の分のご飯も作ってくれた。

そのお礼にお酒を買いトントン…にはならないよなと思いつつ食事中に聞く彼のバイト先(韓国系焼肉屋)での苦労話が結構面白かったり。

数年後、韓国に戻った彼と釜山で再会、食事をした際もわざわざ来てくれたからとご馳走してもらい本当に頭が上がらない。

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大学を卒業し何と日本での就職が決まっていた彼もまたコロナの影響で渡航できない厳しい現状にOh My Gosh,,,と叫びたくなる。

きっと毎日お酒を飲んでいるに違いない、早く話が進展して欲しいものだ。

 

基本的にシェアハウスに住む人、住もうとする人は変わっている。

自分と同じように自分が変わっているのが分かっている人たちと同じ屋根の下で暮らすのだから合う合わないがあるのは当然。

所詮は他人でありそうなった時にぶつかるか、避けるかの違いだけ。

狭いコミュニティで自分のプライバシーを守るためか皆が目に見えないがはっきり感じる巨大な壁があり1度閉じたら2度と開かない。

単純に引っ越せば済む話だが、出ていかないいけない理由があったのかもしれない。自分が先に後にした。

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コミュニケーションの面で言えば個人的には住み込みリゾートバイトで会う人たち(日本人)の方が波長が合う人が多い傾向。

もしシェアハウスしたいならシェアハウス用賃貸より友人と大きな部屋、家を借り家賃を割った方が遥かにいいだろう。

 

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浅草橋周辺の日常

 

何度か来たことが会っても住むとなると別なのは言うまでもない。

1ヶ月住んだので少し近所を紹介。台東区と言っても浅草上野蔵前そして浅草橋とかなり広い下町エリア。

マンションが建ち並びキッズも多い一方、日本橋馬喰町との交差点には地下歩道がありここを拠点としている人もいたり。

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御徒町周辺にはジュエリーや宝石関連の店が多くインドや中東系の人が多く暮らし、アメ横地下食品街には小アジアが拡がる。

軽く旅行気分になれるのでついつい予定がなくても行ってしまい何も買わず後にする好かれない客。

ほんとに欲しい時もあるが基本素材や生物は厳しい…なんせキッチンのない家に住んでいるので。

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浅草橋周辺もアクセサリーや革のお店が多いことで有名で代々続くご飯屋さん。

それに加え花飾りや提灯、花火など夏の風物詩を彩る専門店も多くコロナの影響が心配される。

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東京都心なら街を見ながらだと平気で一駅、二駅歩けてしまう不思議な力がある。

最近はカメラの出番も減っているのでここぞとばかり持ち歩いて撮ってみた。

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シェアハウスからすぐのところに鳥越神社があり、おかず横丁という昔ながらの商店が軒を連ねる一本道は夕方から夜にかけて提灯がつきいい雰囲気。

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おかず横丁の一角、純和風テイストの酒屋にモノトーンのマリリンモンローの相性良さは正直意外。

地元民御用達の銭湯も点在するが今のところシャワーで満足しているので気が向いたら行くとしよう。

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カキモリは人気の紙が種類豊富な文具屋さん。オーダーの手帳が作れたり、毎日の暮らしを文具が良くしてくれる気がして立ち寄りちょっと万年筆で試し書きするだけでも楽しい。

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せっかくなのでここで便箋と封筒(1枚から買える)を手に入れ離れ離れになってしまった会いたい人にエアメールを書くことに。

初めてなので無事に届くか少し心配…カナダまで手紙110円という安さもいまいちピンとこない、、国境越えすら難しそうだが。

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歩いてすぐの蔵前は古民家をリノベしたカフェや専門店、ご飯屋さんなどが増えて注目のエリア。

厩橋(うまやばし)から見渡す隅田川沿いの建築物は見事な遠近法の高さで収まり◎。

ここから花火見れたらさぞかしキレイなのだろう。

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まとめ

 

結果的に仕事の話は住んでいる期間、一度も無い上に誰ともまともに話さず。

出した荷物をそのままバックパックに戻し無音で後にした。

引っ越す前にまずは内覧をしましょうという教訓、、納豆をすする音とシンクの匂いが壊滅的に無理だった。

そしてガス🔥は生きてく上で必要。

どこでもどんな環境でも生きていける変な自信は今や見る影もないがこれは例外だと言い訳させて欲しい。

これは大人の階段を登ったと言えるのだろうか、少なくとも一般人への階段は踏み出しているのではないかと思う。

またさらに船に戻りたくなってしまった6月。

シェア街クラウドファンディング成功したようなので気になる人は見てみてくださいね。