All in my head

1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

テンダリングと沖縄の離島 / クルーズ船でウエイター240連勤 ⑩

今まで海外での心に残ったことを振り返ってきたが、ここからは国内も題材に書ければと思う。

筆者の出身は埼玉でクルーズ船に乗るまで修学旅行先だった沖縄以外、大阪から西に行ったことはなかった。基本的な行動範囲も埼玉⇄東京がメインで国内を旅行しようとすら思わなかった。

ちょっとの遠出も関東圏で満足。山梨の富士吉田は、特にお気に入りで新倉山浅間公園は有名な映えスポット。

中国人しかいない日本のマイナー世界遺産、忍野八海は驚きの水の透明度。泊まりなら是非リゾバしていたホテル鐘山苑へ…(広告)

それから年々行動範囲は広がる一方で“飛行機に乗る”は“海外に行く”と同意に。

私見だが国内線は台湾や韓国といった近隣アジア圏よりも値段が高いイメージがある。 航空会社やシーズンによっては間違っていないだろう。

そこに強めの海外思考が加わり、海外かぶれの完成。退職から自由に旅行できる環境を選び、実家という大きなバックのお陰でオーストラリアワーホリ、ニューヨーク、東南アジアラウンドなど好き勝手な旅を続け頭のネジはどんどん飛んでゆく。

それはそれでいい。夜間科の学生になり、就活せずフリーターになった時からヤバいと思い始めた。(今でも十分ヤバイが) そういった流れでクルーズ業界へ足を踏み入てからのこと、自ずと避けてきた国内を船で行くチャンスをもらい、旅を楽しむ初心に戻れた気がする。

今まで以上に日本が好きになったのが本音でありこれからの数回に続く話の結論。

不思議な巡り合わせで初もの尽くしの乗船から約3ヶ月、マニラ、台湾から石垣島か宮古島のどちらかに週一、二のペースで寄港することに。

数少ない国内旅行、まず端から攻めて行くのも悪くないだろう。石垣島…プロ野球のロッテが2月にキャンプしてるイメージしかないが、それでも期待値は上がる。

石垣島への初寄港はテンダリング。

●そもそもテンダリングとは?

テンダーボートと呼ばれる船の左右についてる小型船で港にいくこと。港、船着場の地形がクルーズ船に対応していない場合に用いられる。その間船は海の一定の位置に浮いている状態。

そして2回目、石垣島にクルーズターミナルが完成した晴れの日。しかし生憎の天気にげんなり…意地でも外出しないと船外での思い出は生まれない。

レストランから見下ろしていたおニューのコンクリロードを歩き目指すは前回テンダーボートが着いていた町の中心部…分かってはいたが何もない。(こんな事ならターミナルなんて作ってほしくなかった)と心は叫ぶ。

お高い石垣牛が並ぶ石垣市公設市場を通り抜けてちょっと遠いマックスバリューへ足を伸ばす。

イオン系列、トップバリューの仲間マックスバリューは親しみがないかもしれないが沖縄ではなくてはならない存在。辛いラーメンが好きな中国人クルー。四川出身の人たちは特に味覚おかしい…

ファミマに売ってるデカいドクターペッパーはマストバイ。ルートビアが有名で日本では沖縄でしか展開していないA&Wは毎回気分ではないのでスルー。

ありがたいことにタクシーが安い。

石垣島に限らず、クルーズ船で地方に行くとキャパオーバーでタクシーの数が足りなくなりがち。

なので事前に予約しておくか、船のツアーに申し込むかしだ方がベター。じゃないと歩いていける距離にこれと言ってなかったり、意外と思うようにいかない時も多々あるのでせっかくのクルーズ、ストレスを減らすためにも日頃より財布の紐は緩めましょう。

晴れたら海ラッキー。海の色めっっちゃブルーだけど未だに一度も入ったことはない…。石垣島だとやはり川平湾、ボートで竹富島に行くツアーが人気です。

心配だったらるるぶ持参、夏のゲリラ豪雨は日常茶飯事なので雨具のご用意を。

宮古島は小さめのクルーズ船なら着港できるが、基本は今もテンダリング。

平良港から歩いていけるパイナガマビーチで遊んで向かいのファミマで一杯やってアイス買うのもよいが、やはりレンタカー借りて島と島をかける伊良部大橋へドライブするのが気持ちよさそう。

ジャグジーから遠目で街を一望できるのもテンダリングポートならでは。

この写真、自分のこれまで撮ってきた中でも5本の指に入るくらいお気に入りだが心残りは売れなかったこと。カメラ目線をありがとう。

お土産にいただいた雪塩サンドはコーヒーと合う。

仕方ないことだが、綺麗な海を横目に働くのは辛いものがある。何よりの試練は毎クルーズ離島の夜におとずれるBBQディナー。

プールサイドまでレストランを拡張して行うのだが、全てにおいて思い出したくないほどの忙しさ。

この日だけはセーラーTシャツかアロハシャツに白ショーパン、白スニーカーとラフで革靴を休められる日。これ以上大変な仕事は今のところない、よくがんばったウエイター時代。

テンダリングボートも近くで見るとけっこうな大きさ。有事の際にもお世話になるが、テンダリングポートは少ないので乗る機会があったらラッキーくらいに思っておこう。

●でもテンダリングは正直あまり気乗りしないその理由

①乗るのはお客さん優先なのですぐには外出できない。キャプテンアナウンスで "CREW SHORE-LEAVE IS NOT GRANTED"と入るのが恒例。

②早めに設定される帰船時間。テンダリングの寄港地の特徴であり、ボートを引き上げて固定する時間が必要だから。クルーの朝も普段より早目。

③ ランチがいつものポートデイの倍忙しい。テンダリングだからと外出しない人、アクティビティや移動に時間がかかるなどが原因。決して悪い意味ではないので思う存分寄港地で楽しんでもらいたいのでこのブログを書いている。

④一隻に乗れる人数約150人。安全面からキャパが決まっおり、一本逃すと次来るのを待たなくてはいけない。

⑤ 揺れる、酔う。乗ったら乗ったで波高いとその影響をもろに受けるのでアトラクション感覚で楽しもう。

⑥帰りの時間にかなりの余裕が必要。陸で遊んでる時も時計ばかり気になる…まぁこれはいつものこと。

帰船時間ギリギリになるドキドキ感が一番体に悪い。

逆にテンダリングの良いところ!

①船を水平に近い目線から見れるので大きさがよく分かる。船バックにセルフィしたいなら二階へ。

②時間帯によっては空気が澄んでいる…

あんまり出てこないから③はなし。日本だと三重の鳥羽など。あまり効率はよくないが気分転換になるし、ターミナルのありがたさがよく分かる。

最初と最後の写真に映るのは宮古島に泊まる姉妹船のSSA。台湾基隆〜那覇、離島がメインコース。

✈︎台北への往復便をとれば、台湾旅行プラス沖縄クルーズが最安値でいけるクルーズラインで筆者もゲストとして乗るならこれがいい。絶対楽しい、、

石垣島か宮古島、やはり港の近くに美味しく心地よいカフェを見つけられなかったのが要因だろう。馴染めず、海でキャピキャピできず、毎回日本にいてそうでないような不思議な感覚だった。

4ヶ月目、ついにレギュラーで上海から九州、本州へのクルーズが始まり念願の本土帰還。

続く

虜になる愛しの香港喫茶 / クルーズ船でウエイター240連勤⑨

コロナショックでクルーズ業界も何か大きく変わらなくてはいけないのかもしれません。時間軸が不思議に思われる方もいるかと思いますが、記事の写真はここ3年間で撮り貯めたのを使用しています。

話の続きは前回の続き香港ショアリーブ(外出)後編。

しばし船から離れ陸地を満喫する今回。下船しメトロ、トラムと乗り換えて目指すのは、香港島、ハッピーバレーにある行きつけの香港喫茶。

湾仔(わんちゃい)駅からケネディータウン線のトラムに乗り終点のハッピーバレーまで約30分。カイタッククルーズターミナル下船から計算すると1時間は確実…遠いのは否めないがタクシーは最終手段。

なんだかんだ何回来ても観光客感は抜けず…空いてたらトラムの2階、1番前に座ってしまうのだ。

ここから見る香港は格別。人の動きがよりはっきり見えると共にこの辺は運転するの大変だな〜と妄想ドライブしてる間に中心地を抜け、道もだんだん細くなってゆく。

東京もそうだが、歩行者の多い街の運転は避けたい。バックパッカーの時はほぼほぼレンタルバイクしているがクルーでいる限りはリスクマネジメント最優先。船外は完全自己責任だからね😊

ビルから木々の緑に車窓が切り替わるのがこのラインの良さ。窓は開いていて香港都市部の殺伐としたイメージからは想像もつかないほどの心地よい風と木漏れ日が入り、この瞬間の美しさに息を呑む。

競馬場のジョッキークラブ、隣接するスポーツ公園を越えるとハッピーバレーが見えてくる。

ちなみに帰りはハッピーバレーを始点に右回りで、丘にそびえ立つ香港墳場という巨大な墓地を抜けてシティへ向かう。英国統治時代を彷彿とさせる大小様々な十字架はアジア圏でも珍しい作りではないかと思う。

ハッピーバレー自体は何か特別な観光地ではなく、閑静な住宅街といったところ。交通量や目を引く高層ビルも減り穏やかな雰囲気が流れる。

バーやレストランの客層は若干大人向けでヨーロピアンテイストのお店が多め。とは言え、薬局や漢方といった香港オリジナルなお店もあるのだが写真が少ない。

ここまで来ると頭には食欲の2文字、、次行ったときはもっとこの辺をじっくり探索したい。傾斜のある土地でちょっと目線が普段と変わるのも頭に入れておこう。

旧正月の2月が近くなると真っ赤に染まるお店がちらほら。福の文字とその年の干支がデザインされたグッズ展開は幅広く、価格帯もピンキリ。

そんなに混んでないのでじっくり見れるしハッピーバレーという土地の名前も縁起良いので小物を買うにはいいと思う。

●Fusion Supermarket

海外輸入品多めでちょっと値段もアッパークラスなスーパーマーケット。ここでは消費系のばらまき土産を買おう。ヨーロッパ、ブランド、横文字デザインが大好きな日本人(筆者も含め)にとってここにあるグッズのデザインはコスパをふまえても喜ばれること間違いなし。

オーストラリアワーホリのときに感動した水入れて振るだけのホットケーキミックスとの再会は250円の値段より価値がある。

両者共に元イギリス領だからなのか不思議なところで思い出は繋がる。このスーパーでは船用の高いドリップコーヒーやお菓子などちょっと奮発するがクレカで一発だ。

歩いてたらお腹が空いてくる。正直なところ、香港ランチの選択はかなり難しくしっかり系のご飯は期待外れで終わることが多いからだ。

船のあるお客さんが言っていた「某高級ホテルのアフタヌーンティーよりマクドナルドのミルクティの方がが美味しかった」という話は忘れられない。

実際、セットに香港式ミルクティーや豆乳を選ぶことができる。またアンガスミートバーガーなど香港エリア独自のメニューもありマクドナルドを侮るべからず。タッチパネルでオーダーしここもクレカで支払い。一連の流れは速くて楽。スマイル0円もいいが、日本も早くこの流れになってほしいものだ。

レストランではお冷ではなくぬるめのお湯が出てくる。

香港散財プランなら行きたい飲茶は先に決めてできたら予約もしよう。Googleマップのレビューは世界中の人の批評があり一番信頼できると思う。平均の値よりもいくつ⭐︎5があるか、、これで決まる。

筆者の初飲茶はニューヨーク、チャイナタウン。

ここは本当にニューヨーク??ってくらい周りは見渡す限り中華系でそのインパクトが余りにも強く味は記憶にない。Jing Fong という向こうでは人気のお店で英語圏で目にする漢字は癒し。

また話が膨らでしまったが、いろいろ行ってると自ずと共通点が生まれて嬉しい時があるもの。経験は無駄にならないとはこのことなのだろうか…寄り道も済んだところでそろそろ本題の香港喫茶へ。

●祥興珈琲室 (Cheung Hing Coffee Shop)

風格すら漂う凛とした佇まい。もう好き。

いつもお昼過ぎくらいに伺うのだが、ランチタイムは日替わりのランチメニューが選べる。ご飯は驚くような美味しさというよりかは安定感重視、ボリュームでカバー。

店内はローカルで混み合い相席になる確率は高い。一眼で料理を撮ってる見慣れない観光客を前にしても店員さんたちの接客は優しくメニューについても詳しく教えてくれるその姿勢に感銘を受けた。

日本の一般的な喫茶店で旅行客の香港人が来たらどこまで対応できるだろうか、、逆の立場で考えるのは大切。

レギュラーメニューの麺は香港日清の出前一丁。

エッグタルトは焼きたてのタイミングを狙おう。焼きたてなら食べてくのもあり。もしお腹いっぱいだったら持ち帰って冷蔵庫で冷やしてから食べても美味しいぞ。

バターたっぷりのパイナップルブレッドも持ち帰りがいい。濃厚な香港式ミルクティーはエバミルク(無糖練乳)やブレンドした茶葉を濃く煮出すことで作られるらしいがちょっと苦手なんだこれ…。

なのでアイスコーヒー無糖をチョイス。とりあえず甘くて美味しそうなものは全部テイクアウトして、3時から始まる香港式フレンチトーストに胃と心の照準を合わせよう。

それは私たちの知るフレンチトーストとは別物かもしれない…香港語で西多士を待つこと10分。

ドン!

眩しいくらいのきつね色にあがった厚切り食パン。その上でとろけるバターと練乳のコラボ。

カロリーの塊をナイフで大きめに切ってジュワトロのハーモニーを心行くまで楽しむ、、甘過ぎずくどくないのが不思議。

後から追ってくる罪悪感をすっきりアイスコーヒーで断ち切る。もうこれが快感であっという間に完食(2人でシェアするのをオススメする)。最後はもたれるからね…完食するとまた仕事頑張ろうモードに自ずとシフト。でも船に帰りたくない…

食通の同僚も気に入った様子で何より。

店員さんとも顔見知りになった今、香港では数多くの喫茶店がこういった料理を提供しており特にフレンチトーストは観光客からの人気に火がついている。

だが初めてここに来た時の全体的なサービス、感動から寄港した際はここに行く。

他にもトラムからの景色、落ち着いたハッピーバレーの雰囲気などなど浮気する理由は見あたらない。そう定期的にあるわけでは無い香港チャンス、その分楽しみは増えるが、その期待を裏切らないお気に入りのお店でした。また香港行きたいですね。

日本の純喫茶も大好きです。続く

ご褒美の香港オーバーナイト / クルーズ船でウエイター240連勤⑧

初めてクルーズ船で香港へ寄港したときのことは今でも鮮明に覚えている。

乗船して3ヶ月が経ち、仕事もだいぶ手についてきた6月。トレッドミル感覚だった沖縄〜台湾〜マニラ クルーズを延々と続けていたあの日々において香港オーバーナイトは刺激的で、それはもう事件だった。

少しスピードを落とし波の抵抗を受けない湾岸に入ってから始まる静かながら力強い滑らかな航行。イメージはトヨタプリウスの安定感(元マイカー)…伝わったら嬉しい。

接岸と休憩時間が重なったのでクルーエリアの船頭へ移動。海面を割ってゆっくりしっかり進んでゆく姿を最前線で噛みしめた。

小雨の降る中、両岸にそびえ立つ高層ビル群を追い越しビクトリアハーバーへ。陸から見るのとはまた違う視線は新鮮だ。

● 香港は停泊時間が通常と比べてなぜか長い

この時はお昼過ぎの到着で翌日のお昼に出港。この時間が長ければ長いほど行き先の選択肢は増え、ディズニーランドはもちろん、足を伸ばせばマカオにもいける。

見所はたくさんあるがオーバーナイト(丸一日停泊)する際は、ビクトリアピークから夜景を見に行くツアーの人気は根強い。それだけ見てそそくさと船に帰る人もいるほど…。

どこに行こうかとワクワクしながら仕事したのは久々だった。寄港してからしばらく時間が経ってからの船内ディナーはほぼ無人…レストラン開ける意味ないだろうと思いながら待つこと3時間。

12階後方にレストランがあるメリット、運みたいなものを一晩で使い果たしたかもしれない、、夜景を見て感動したのは初めてだった。

この景色はご褒美と受け取り、ひとまずここまで辞めずに続けてこれたことに感謝した。

一仕事終えて速攻、着替えて外の世界へ!!

船を降りて税関を抜けるだけでラグジュアリーショップがたくさん入る Harbour City(海港城)ショッピングモールへ直通できるのがビクトリアハーバーの良いところだが深夜は当然ながら営業していない…

そこから観光地の尖沙咀(ちむしゃしゅい)駅は目と鼻の先、香港島の中環(セントラル)駅までも一駅とターミナルの好ロケーションは効率の良い外出を可能にする。

●香港には2つのクルーズターミナルがある

中型までの客船はビクトリアハーバーに停泊するが、一定サイズより大きな客船は東の九龍湾にあるKai Tak (カイタック)クルーズターミナルへ。

この2つのターミナル間には少し距離が有り景色はだいぶ異なってくる。

屋上庭園や高速WiFiなどKai Tak ターミナルの施設は空港のようで驚くのはその広さ。下船から矢印通り歩いて外へ抜けるだけでも一苦労、、息切れ必至。

ここからシャトルバスに乗りダイヤモンドヒル駅へ行くのが一般的だが、もし行き先が決まっていればタクシーもあり。昔のトヨタクラウンがたくさん走っている。

ビクトリアハーバー付近の景色と比べてはいけないほどの庶民的な雰囲気。オフィスビル、ショッピングモールと住居用のビルが混合してかなりカオス。

観光客の行きたい場所と現地民が好んでいく場所にはかなり大きなギャップがありその差、違いを感じれるほど筆者が思い描く楽しい旅行に近づく。

だが異なる両面を知るには時間もお金もかかり限界があるので、まずは旅行前の情報収集で取捨選択をするがインスタグラムやFBの旅行系グループはリアルタイムで更新される素晴らしい便利ツール。

あと軽くでいいのでその国の歴史を知っておくと、日本や隣国との相互関係が見えてきて旅がおもしろくなる。

ビクトリアハーバーとカイタックターミナル、もしクルーズで香港に寄港する際は心の準備ではないが事前にどちらか知っておくと良いかも。

どちらのターミナルに着くにせよ変わらず足を運ぶのは香港の雰囲気に包まれ、地元民に愛されるローカル香港喫茶だがまずは両替しよう。

●両替は尖沙咀(ちむしゃしゅい)の重慶(チョンキン)マンションへ

少しでも良いレートで替えたい、短い時間でも異国情緒を味わいたい人にオススメしたい。

目抜き通りのネイザンストリートにあり、SIMカードを配るインド系のキャッチたちが路上にいるのですぐ分かる。

所狭しと両替商が並び色んな人種の人たちがひしめきあう一階はスルーして中央の階段で二階へ。人気は一気に減り、薄暗いがやはりレートはアップ!

それほど危ない気配は無く両替も旅行の一つとして楽しめるといい。

この建物の上階層には安宿が集まっていることで知られているが、相当貧乏旅行じゃない限り普通のホテルに泊まろう^_^ 経験者は語る…。

詳しくは昔のブログで書いてます。

Sクルーズのウエイターはドリンクを売ることによって会社からインセンティブとしてチップをもらうがそれだけ毎回米ドルではなく香港ドル…。

この近くにフィリピン人クルーがこよなく愛するハンバーガーショップ、ジョリビー香港店があり帰船時間が近くなったターミナルにはテイクアウト袋を両手いっぱいに持った彼らの姿がある。

法律を巡り中国政府と対立する痕跡が生々しく残りいまだ解決の糸口は見えないが、一時期よりか少し落ち着いてきてる様子。

両替したらメトロに乗ろう。

行く頻度にもよるがPASMOのようなICのオクトパスカードがあると便利だ。ビクトリアハーバーをくぐって香港島にある湾仔(わんちゃい)駅へ。

地上に出たら、香港の二階建て路面電車トラムに乗り換え目指すのは終点ハッピーバレー。その名称の響きも気に入っている。

続く。

船の比類なき言葉の壁 / クルーズ船でウエイター240連勤⑦

客船、外国籍船で働くなら尚更…語学は必要不可欠かもしれない。やはり基準になるのは英語になってしまう。

船のサイズによって従業員数は前後するが10万トンクラスの重さの船だと約1000人のクルーがいて出身国、地域は様々でとてもインターナショナル。

Sクルーズはアジア、オセアニア地域を航海している。ウエイターが所属するホテルデパートメントは全員アジア系で構成されており、英語が第二言語なのは皆同じ。

●英語を使わざるを得ない職場環境

人種も文化も宗教も違う船内組織をコントロールする枠組みとして英語が必要。

話すレベルや頻度はポジション次第なのが正直なところだが、独特のアクセントがあったり、文法無視したり、うまく意思伝達ができないこともある。

でもまずは諦めず口に出すのが何より大事。間違えるのは恥ずかしいことではない。

話しかけやすい人柄、柔らかい表情、仕事が早く英語も早口なフィリピンのジョリーくん。

ウエイターは忙しく就業時間も長いので無表情だったあの頃…早く仕事終われとしか思わず時計ばかり見ていたが、どう効率的に疲れずに働くかを極めてたら徐々に楽しめるようになった。

少しずつ他のクルーとも打ち解けて笑顔に。ワンピースで幼少期のロビンにサウロが言った「苦しい時は笑ったらええ」が心に染みる…

ムンバイ出身のインド人上司は本当にカレー好きで実家に帰ったら毎日カレーらしい…右のシェフはゴア出身。

話は変わるが、秋葉原でハラルフード認定された緑のココイチを見つけた。オリンピックを前により国外に目を向けた流れになるのは良いこと。ビーガンとは言わないがベジタリアンレストランももう少し増えていい気もする。

時を戻そう。

セカンドハンドショップは彼らの大好物。ブックオフ、ハードオフ、マンガ倉庫は特に根強くゲーム、フィギュアなどは自国で買うより安く品数の豊富さは魅力。まさにこのジャンルこそ日本の強みといえる。

セカストなどの古着屋では客がほぼクルーみたいなこともしばしば。服ばかりあってもほぼユニフォーム着てるから要らないのは承知で筆者も足を伸ばす。

中でもフィリピンは、見てくれをとても気にする国民性。人気の中古ブランドバッグは親にプレゼントするのだそう。

箱いっぱいにつめた食品は国際便で実家に郵送する謎の風習があり全員、安定のマニラカーゴ。

クルーバーでは各国の建国、独立記念日に出身クルーが主催してパーティーを開くことも。これはネパールの時🇳🇵

仕事中には見たことない笑顔…こういった同じ国の人たち同士で喋る時はもちろん現地の言葉なので何もわからないけど楽しそうで何より。

飲んで踊って日付はまたぐが次の日ちゃんと働いてるのが偉い。そんなに踊る?ってくらいみんな終盤は踊る。

Sクルーズの後、筆者はよりワールドクラスなPクルーズに移籍するがそこにはヨーロピアン、ラテン系、南アフリカと世界中からクルーが集まっていた。

そうなると周りには自分よりもっともっとずっとずっと流暢に英語を操れる同僚やネイティブが当たり前に側にいるのでどうしたらもっと分かりやすく、より上手く言えるか聞いて気に入った英語の言い回しやフレーズを真似するようにしていた。

ポジションをウエイターからフォトグラファーに変えて心機一転。

マネージャーはポルトガル→イギリス→ルーマニアとヨーロッパへ進出。

今まで英語環境を渇望していたが船に乗ることで身の周りは激変し、相乗効果でSクルーズの時よりも英語はかなり伸びた実感がある。

そしてクルーたちの母国語のあいさつも覚えて損はない。いざその国のゲストと接した際にとても喜ばれる。

●勝手に身につく船言語(シップランゲージ)

とっさに言われても何のことかさっぱり分からない専門用語がたくさん存在する。

例えば、船の左右のことをポートサイド、スターボードサイドと呼んだり、外に出る時に渡る橋はギャングウェイなど。ガラディナー、コリドー、リド…言い出したら止まらない??

これらは世界基準でどのクルーズ会社でも統一。

各国の国民性や言動の傾向などがおもしろいくらいパターン化してくる。にしても彼のスピーカーはデカい。

ここからがかなりクセの強い内容で単語、文法にも色んな言語でたくさんの独特な表現が飛び交う。

驚きや失望のとき、ため息の代わりに出る中国語の「哎呀妈呀」(あいやまーや)、韓国語の感嘆詞である「아이고 」(あいごー)、、、ついつい日本語より出てしまう。

もう動かない、使えないものを指す「カプッ」はもはや何語か分からない…「バナナ🍌」は便利ワードで怒られた→バナナもらった、使えない人→あの人ほんとバナナ…など応用が楽。

他にもいろいろあるけどちょっと忘れ気味だがFワードはそう簡単には忘れられない。

ネパール語の 「Machikne 」(まっちきりにー)、マレー語の「Cok」 (ちょっ)などは人前で口に出すべきでない類だが無駄に覚えやすいので裏で多用…。

また、中国人クルーは英語の語尾に「吗」(ま?)をつけてむりやり質問形にするし、フィリピンクルーは語尾に「po」(ぽ)をつけて敬語にしたり、「no?」(の)をつけて質問形にしたりとまあ自由。

日本人は完璧な発音やイントネーションに気を使いすぎてると聞くが本当なのかもしれない。それで英語を言わない、使わないなんてもったいない。

気持ちを込めて単語を繋げればコミュニケーションは取れる。英語を勉強することでそれをいかに楽に、早く、簡潔に伝えられるか。

●第三言語に挑戦してみよう

難しく考えず、あいさつの「Hola!」(おら)や、別れの際、電話を切るときの「Ciao!」など英語以外でもイタリア語、スペイン語などがよく使われる。

同郷の人(筆者の場合は同僚の日本人クルー)のことを中南米のスペイン語で「パイサノ」と呼んだりゴミのことを「バスーラ」と言ったりね。

フィリピンとスペインは関係性が強いので納得。

バイリンガルからのトリリンガル…日本人でもこれがあると本当にかっこいいけれど、脳内のキャパには限界あり。

遊び半分くらいで覚えるのが丁度いいのかも。

こうして毎日多文化、多言語な仲間たちと数ヶ月間、朝〜晩までいっしょに働き、同じ釜の飯を食べる船上生活をしていると言葉の壁という概念は消え去ってしまう…。

不思議な縁で、時期は違えど同じ旅館でリゾバをし、あの広いオーストラリアでピンポイントに同じファームで一緒に働き、たまたま同じ日にシンガポールで旅行することが判明し会ったり…そしてついには同じ船に乗ることになった北海道出身のお姉さま。

何かしら次もありそうな予感…お世話になります。

クルーのアルコールプライスは千ベロに負けない。

火災報知器が至る所にあるのでしっかり分煙。

酒とタバコはクルーの趣向品と言うべきか…航海士のオフィサーやエンジン系といった普段表に出てこない人たちともランクやポジション関係なくフランクに話せる場、そうクルーバー、韻を踏んでしまった。

何にせよ、ソーシャライズが上手な人ほど英語の上達が早いのは間違いないというのが今回の結論。

近年、語学は勉強して体得するものという考えは時代の流れとともに変わりつつあるのかもしれない。

英会話YouTuberの地位は確立され、ドラえもんの翻訳コンニャクはポケトークに形を変えた。AIの技術向上や翻訳機器の発展によって今後、外国語でのコミュニケーションはどんどん楽になるだろう。

使えるものは使った方がいいかもしれない。だけど…

やはり実際に自分の口から初まる自然な会話、相手と知り合い、気持ちが通う時そこには何物にも変えがたい価値があるのではないかと筆者は思う。

英語環境で日本語を求められる職場も世の中にはあるし、日本語を喋るだけで頼られる職場もある。

語学の勉強をやり続ける限り何か新しい世界が開けるかもしれない。世界は広いから…続く

未開の中国黄海 / クルーズ船でウエイター240連勤⑥

前回は乗船クルーがどんな環境で生活をしているか紹介するとともに、生活費がかからない点を客船で働くメリットの一つとしてあげた。

今回はさらにまた違った角度から筆者が思うメリットを考察しながら中国4都市の回想編。

マニラ、基隆(台湾)を拠点に宮古島、石垣島、香港へ行く東シナ海クルーズが終わった4ヶ月目。契約期間を折り返す時点で仕事とは別に船乗りがとても楽しくなっていた。

●毎日違う場所にいける

これがどれだけ素晴らしいことか…。

もともとなぜ客船で働こうと思ったかというと単純に旅行が好きだから。

やはり仕事より旅行の方が楽しいのだ。でも仕事をしないと生けてけないのでもし旅行を仕事にしたらどうなるのか…その考えの延長でこの環境を選んでる自分の選択ゆえ何があっても後悔はない。

上海→天津(北京)→大連→青島

SSVは中国本土にマーケットを移しこの4ヶ所がホームポートになり順に1ヶ月ずつで向かうのは同じ九州、5泊6日のショートクルーズだ。

毎日、毎晩、海を進み続け寄港地を挟みながらグルグルするのがクルーズというもの。翌年までどこに行くか日程が決まっているので乗船してる限り、船の行くところに自分も行く。

同じ中国とはいえ広大で各港で乗船してくるゲストの人間性がかなり異なるのも興味深かった。取り分け上海の客層はクルーズの常連が大多数でリッチ。

それとは全く別なのが大連や青島のゲストでほぼ全員が初のクルーズ旅行。身なりも仕草も違い、レストランでも本当に楽しそうにしているのが感じ取れて素直に嬉しかった。

QUANTUM OF THE SEAS

生まれて初めてみたロイヤルカリビアン社の船の大きさには度肝を抜かれ、これがワールドクラスかと。

上海のポートは超大型クルーズ船3隻が縦列停泊可能なほどのキャパシティ…。MSC,ロイヤルカリビアン,うちの順番でちょうどレストランから見える船のスケールには言葉を失った。

タクシー以外街に出る方法はなくかなり制限が厳しいので中国人クルーと一緒じゃないと不安すぎる。

初寄港はいつものショアリーブの数倍新鮮に感じるし、ワクワクの塊ななで発見も多い。

一眼カメラ(Nikon d5300)を持ち歩くのがマイルール。

町の至る所に中国式社会主義の片鱗が見てとれる。

筆者が想像していた中国のイメージは近代化したハイテク産業、いわば上海、浦東の高層ビルや外灘といった極一部の煌びやかなパート。

でも実像はかなり違った。

何もない更地に新たに都市を1から作っている印象でそれもまたひとつの魅力であり刺激的。道もどんどん整備されていて広い。

でもそれは逆に考えればまだ伸び代があるということ。

新旧様々なドイツ車が多いのが意外でタクシーまでもVW...減税対象なのだろうか。

大人たちが昼間からトランプしてたり、道端でドローン飛ばしてたりと目の行き場に忙しい。

超市…絶対的にスーパーマーケットだと思ったらコンビニ?!漢字からの和訳は100%ではないのだ。

謎の毛皮売りを横目に韓国料理へ。大連はかなり北朝鮮に近いからか、韓国料理屋さんが多く感じる。同行した韓国人も納得のお味、決してアイドルがいるわけではなく価格帯も含め、新大久保とは話が違う。

国を超えて毎日違うところにいる。

パスポートもいらない…クルーにとっては当たり前だが改めて考えるとすごいこと。仕事して寝て起きて遊びに行って給料をもらい生活費も交通費もかからない旅行を8ヶ月間…。

銀座で配達バイトをしていた理由も同じところにずっといれないマグロのようなマインドからだったことを思えば自分のやっていることに愛着が持てるのも納得。

香港編に続く。


乗船クルーの日常 / クルーズ船でウエイター240連勤⑤

現在もクルーズ船で契約社員として働く筆者だが、最初のコントラクトを終えて実感した率直な感想、意見を通してクルーズをより身近に知ってほしい。

クルーズ船に限らずアブノーマルな職場環境ではメリットとデメリットは顕著に現れるもの。

ネガティブなイメージが先行しがちだが客船で働く中で発見するメリットは意外と多いように思う。

乗船して最初の3ヶ月間の拠点はフィリピンのマニラ。

● 給料の8割は貯金!?生活費不要の職場環境

契約期間中、衣食住に費用がかからないのは大きなメリットと言えるだろう。

ユニフォームは会社が支給、食事も選ばなけば困らないし、寝る場所の心配もない。 オーストラリアワーホリの仕事がない期間、食べるものと寝るところでどれだけ苦労したか…船内ではそこに費やす金銭的なストレスから解放される。

● クルーキャビン(4人1部屋)

この船では乗員の部屋があるのは主に2階から4階( deck 2~4 )で海面下なのでもちろん窓はない。

よって朝日の入らない朝を240回迎え、洗濯物は乾燥機オンリー。天日干しは8ヶ月待ちとお日様の偉大さが身に染みる。

超絶閉鎖的環境で生きてゆくバイタリティとハングリー精神は必須要素。なおかつ同じアジア圏と言えど共同生活で垣間見る文化の違いは強烈なものでコミュニケーション能力だけでは補えない時もある。

日本人同士ですら違うのだからとまず自分が異文化を理解、そして柔軟に接することを意識しよう。

リサイクルショップで買ってきた中古のギターを弾こうと寝る時間じゃなければ別にいいし、どれだけガンダムがあっても自分の邪魔にならなければスルー。

この船ではクルー用のWiFiがなく部屋の固定電話(内線)で連絡を取るのが基本。

かかってくるのはクルーオフィス、他のキャビンから遊びのお誘い、クルーバーなどだが朝遅刻した時にレストランからの電話で起きるのが一番心苦しい。

オフィサーやマネージャーなどマネジメントのポジションの人はページャーと呼ばれる電話を携帯。

本も読むし言語学習も継続。2階の部屋〜12階のレストランまでエレベーターを計算しても5分。 アップダウンするだけの通勤時間と仕事以外の時間は自分次第。そう考えると自分の時間は普通に働くより取れるのかもしれない。

日本に停泊してる時はNHKが受信可能。甲子園と能見さん。

仕事用の革靴、サンダル、ジム用、外で遊ぶ用が2.3足…4人分並べたらすごい量に。

部屋を出てランドリーへ。船内あるあるだが最初はどちらが前か後ろかが分からない。それゆえにどちらも左が右かも分からない…船内図を見ながら進む。

哀愁が漂う同期の背中。 マニラの船員学校からレストランは違うものの一緒に頑張ってきた彼は悩んだ末、3ヶ月目に下船して元の生活に戻った。

本人の決断は尊重するしもうちょっと頑張ろうとは言えない。この環境で働き続けれる方がおかしいのだから。

● クルーランドリー

ランドリーは比較的新しく洗濯洗剤が自動的に出てくるタイプの洗濯機なのでダウニーなど柔軟剤を入れてはいけない事になっていた。

服が必要以上に香ると注意を受ける謎ルール。

ユニフォームはリネンに持っていって交換。もちろんクリーニング代も無料、自前なのは靴と靴下くらい。

散髪は船内屈指の副業で人気。カリアゲに関しては相当な技術者揃いでコンペティションとかしたら面白くなりそう…

彼もまた同じ日に乗船しフレンドリーに色々教えてくれたベトナム人のシェフ。彼に頼むと快く髪を切ってくれた。最初の数回は無料で切ってくれて悪いのでチップを渡した。

これらは私が働くブッフェレストランの食事の一部。食材の搬入は台湾なので中華系の人たちが喜びそうな食材と調理法。ザリガニは中国クルーズの時だったが一瞬でこの量がなくなった。

クレームはこれといって受けなかったから別に構わない。格安ショートクルーズを売りにしていただけにコスパには限界があるのは仕方ないが乗員用の食事はさらに限界を感じる内容。

● クルーメス (mess は軍用語で食堂の意味)

朝食は量に限りがあるチョコリングとコーンフレーク、ミルクの取り合い。朝早起きしないと食べれないご馳走。おかゆの何が美味しいのかまだ分からない。

肉より骨の方が面積が多いのが特徴の肉のカケラが油に浮いている…アドボはフィリピンのソウルフード。 魚を切るのは時間の無駄のよう…。

どこを食べるのだろうか?鱗見て鳥肌…まるで群れで泳いでようだ。船員学校の時から見てるがみんな割と普通に食べてるあたり文化の違いだろう。

ブッフェなので取りたいものだけだが気づけばプレートに何もよそってなかったりする。

お昼過ぎ3時過ぎに出てくる焼き立てパンは美味でジム終わりに食べれるよう時間を計算。ディナーの仕事終わり、待望の深夜食(supper)は時々ミラクルなまでに美味しいので要チェック。

スパイス効いたマレーシア風カレーと渡り蟹のチリソース。特にこの蟹は未だに食べたい味付け、完璧。

お湯はもちろん電子レンジもあるので夜食はわりと自由でお気に入りはオーストラリアワーホリからお世話になっているコスパ神のレペゼンインドネシア、ミゴレン。写真は中国の炸醤麺。

● クルーバー

クルーは飲まなきゃやってけない。

国境を越えても飲みニュケーションも健在で毎日朝食シフトがあって早く起きなくてはいけないけれどついつい行ってしまう。基本的に船外からのお酒の持ち込みができないためここで買ってここで飲む以外この船では方法がなかった。

ビールは地上より安く缶が約120円。カールスバーグ、アサヒ、チンタオ、タイガー…と銘柄は様々。赤ワインとコーラを割って飲むスペイン風カリモーチョも安上がりで良い。

フライドチキンとピザがささやかなご褒美。ウイスキー系のメニューはなし。なぜだ!?これも船会社によって違います。インドネシア系はムスリムだがアルコールもタバコも人によりけり。線引きは自分でやる様子…。

ここは人種で固まりがちで少数派チーム日本は同じく少数派韓国人グループと仲が良い。

● クルージム プロテインは必須アイテム。真剣に食べれそうなご飯がない日も栄養を摂取可能で言わば非常食。

体力仕事ではあったがジムは別物…と言いつつも体バキバキでストレッチして終りがちだがなるべく時間ができたら行くようにしていた。 もし体調が悪くなれば船内のメディカルで薬ももらえたりと福利厚生も最低限整っている。

● クループール 重い扉を開けると、、、オーシャンビュー!

一番見晴らしの良いお気に入り椅子。

最前方タイタニックスポットのところにあるクルー用プール。航海中は最高に気持ちいいが常に操舵室(ブリッジ)から見える位置にあるのでいつも若干の緊張感。

幾らかは乗船クルーの日常生活がイメージできただろうか? あくまで個人例ではあるが生活環境には事前の慣れが必要。バックパッカーで安い宿に止まったり、リゾートバイトして住み込みで働く生活を知っているとだいぶ応用が効く。

生活費がかからない、通勤時間5分、でもまだ船で働くメリットと言えるには弱いかもしれない…次に続く

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基隆/台湾 クルーズ船でウエイター240連勤④ なくてはならない裏路地

筆者は裏路地が好きだ。知る人ぞ知る…とかローカル御用達…といった響きの地元の人たちに愛される美味しい料理はだいたい裏路地にあると信じているから。

初めて今回の裏路地、愛二路54巷を見つけたのは2回目の基隆ショアリーブの時。ここはいいぞと確信した。

まずは船を出ないと何も始まらないが本来使用するメインターミナルは現在改装工事中。

なので WEST PASSENGER TERMINAL からの外出。

裏路地への入り口はちょっとわかりづらく、老舗フィッシュボール屋さん魚丸伯仔の角を左折すると姿を表す。

筆者ワンピースが大好きで仕事選びも少なからず影響を受けているかもしれない…みなみに好きなキャラクターはクロコダイル。

裏路地の車幅はバイク二台同時には通れないほどしかない。でも抜け道のため結構なスピードで走り抜けてくので歩くときは気をつけてください。

● SENKI COFFEE / 三奇壹號咖啡館

初めてカフェの前を通った時、オーナーの奥さんが掃除をしていて挨拶したのがきっかけで足を運ぶように。お店のオープンお昼頃〜21:00。

休日で店が閉まってた時も中に呼ばれてサラダ作ってくれた日もあれば、買ってきた水餃子を店で一緒に食べた日もある。お店で飾る絵を描いて御馳走になった時は何度もあった。

家族に会えない契約期間、関心を持って接してくれた奥さんには感謝しかない。

家族経営で息子がバリスタをしているが、いつの間にか家族全員を把握。誰かしら店にいる人が自分に気づいてHi と言ってくれるようになった時にはもう外国にいる気はしない。基隆は完全にホームだ。

お気に入りの外の席で向かいの絵画の額縁屋さんを見ながら音楽を聴く。何も考えず無になるこの時間が無かったら最初の数ヶ月で挫折していたかもしれない。

お父さんが腹減ってるか?と唐突に聞いてきてご馳走してくれたチーズトーストは心底美味しかった。

本当に疲労困憊の時はほとんど口を聞かない日もあったが、店を出る時に一言、二言の励ましの言葉に勇気づけられ、また来週来るねと言い残せば下船の選択肢は消えていた。

紅茶からコーヒー、お酒までたくさんメニューがあるが炭酸が効いてるレモン珈琲はここでしか飲んだことがないオリジナルメニューなのだろう。

甘さはなくシュワシュワしたレモンの苦味が珈琲と相まって喉をかけぬける。湿気が多い夏に飲むこれは最高!スイーツも種類豊富だ。

柴犬のティアオティアオ♀は犬嫌いの筆者が唯一触れるワンちゃん。船では植物、動物を目にする機会がないから余計に可愛い。

寄港日が土日とかぶったりすると満席で座れないことも最近は増えてきて嬉しい。

海や船からインスピレーションを受けたイラストも港町らしさがあっておもしろい。店のロゴも船なのだ。

現在、オーナーはさらに隣のビルを購入しリノベーションを開始。かなり古い建物で伝統的な台湾建築らしいので内覧させてもらった。 時間はかかるかもしれないが民泊のようなホテルビジネスを画策中でまた基隆に行く楽しみが増えた。

愛二路54巷には他にも個性的なお店がたくさん。

● GOSPEL / 福音服飾

スニーカーフリークな筆者もここの品揃え、ストックには度肝を抜かれた。アパレルにおいてもローカルブランドのラインをしっかり取り揃え、服を買いに台北行く必要なし。スタッフ英語ペラペラだし恐るべし基隆。14:00〜22:00

● 空白服飾&金派甜點

階段を上がるだけで高ぶるテンション。高い天井のもと、古着の中でもミリタリー系に強い印象。雑貨やアクセサリーが独特のセンスでセレクトされている。3階はカフェになっている。14:00〜22:30

● ms.pork / 豬肉小姐服飾店

唯一無二のビンテージショップと言えるかもしれない。店員さんが大の親日家で留学経験もあり店内には日本語のファッション雑誌やカメラ雑誌がたくさんあり自分たちで服のリメイクもしている。

犬から数十メートル先に猫もいるこの裏路地にあるどの店もかなりマニアックに見えるかもしれないが根強いお客さんがしっかりいる。

台湾ではチェーンで展開しているお店より個人経営、家族経営のお店が圧倒的に日本に比べると多いだろう。そういった話を三奇珈琲のお父さんとしたことがあった。

地域密着型の傾向が強く、だからこそ少ない店舗に投資ができるのだろう。代々、こだわりや伝統は洗練されながら構築されていく過程で今の若い世代がグローバル要素を足しながら展開していったら台湾はもっと面白くなるだろう。

話が少し大きくなったが、この裏路地を訪れずれるだけで色んな考え方ができる。実はここ日本食料理屋さんもあるので敬遠せずに今度行ってみたい。 クルーになって以来なくてはならないストリートがここにはある。