All in my head

1994年生。元客船クルーの航海日誌 / IG @imknto はリアルタイムで更新中。

ご褒美の香港オーバーナイト / クルーズ船でウエイター240連勤⑧

初めてクルーズ船で香港へ寄港したときのことは今でも鮮明に覚えている。

乗船して3ヶ月が経ち、仕事もだいぶ手についてきた6月。トレッドミル感覚だった沖縄〜台湾〜マニラ クルーズを延々と続けていたあの日々において香港オーバーナイトは刺激的で、それはもう事件だった。

少しスピードを落とし波の抵抗を受けない湾岸に入ってから始まる静かながら力強い滑らかな航行。イメージはトヨタプリウスの安定感(元マイカー)…伝わったら嬉しい。

接岸と休憩時間が重なったのでクルーエリアの船頭へ移動。海面を割ってゆっくりしっかり進んでゆく姿を最前線で噛みしめた。

小雨の降る中、両岸にそびえ立つ高層ビル群を追い越しビクトリアハーバーへ。陸から見るのとはまた違う視線は新鮮だ。

● 香港は停泊時間が通常と比べてなぜか長い

この時はお昼過ぎの到着で翌日のお昼に出港。この時間が長ければ長いほど行き先の選択肢は増え、ディズニーランドはもちろん、足を伸ばせばマカオにもいける。

見所はたくさんあるがオーバーナイト(丸一日停泊)する際は、ビクトリアピークから夜景を見に行くツアーの人気は根強い。それだけ見てそそくさと船に帰る人もいるほど…。

どこに行こうかとワクワクしながら仕事したのは久々だった。寄港してからしばらく時間が経ってからの船内ディナーはほぼ無人…レストラン開ける意味ないだろうと思いながら待つこと3時間。

12階後方にレストランがあるメリット、運みたいなものを一晩で使い果たしたかもしれない、、夜景を見て感動したのは初めてだった。

この景色はご褒美と受け取り、ひとまずここまで辞めずに続けてこれたことに感謝した。

一仕事終えて速攻、着替えて外の世界へ!!

船を降りて税関を抜けるだけでラグジュアリーショップがたくさん入る Harbour City(海港城)ショッピングモールへ直通できるのがビクトリアハーバーの良いところだが深夜は当然ながら営業していない…

そこから観光地の尖沙咀(ちむしゃしゅい)駅は目と鼻の先、香港島の中環(セントラル)駅までも一駅とターミナルの好ロケーションは効率の良い外出を可能にする。

●香港には2つのクルーズターミナルがある

中型までの客船はビクトリアハーバーに停泊するが、一定サイズより大きな客船は東の九龍湾にあるKai Tak (カイタック)クルーズターミナルへ。

この2つのターミナル間には少し距離が有り景色はだいぶ異なってくる。

屋上庭園や高速WiFiなどKai Tak ターミナルの施設は空港のようで驚くのはその広さ。下船から矢印通り歩いて外へ抜けるだけでも一苦労、、息切れ必至。

ここからシャトルバスに乗りダイヤモンドヒル駅へ行くのが一般的だが、もし行き先が決まっていればタクシーもあり。昔のトヨタクラウンがたくさん走っている。

ビクトリアハーバー付近の景色と比べてはいけないほどの庶民的な雰囲気。オフィスビル、ショッピングモールと住居用のビルが混合してかなりカオス。

観光客の行きたい場所と現地民が好んでいく場所にはかなり大きなギャップがありその差、違いを感じれるほど筆者が思い描く楽しい旅行に近づく。

だが異なる両面を知るには時間もお金もかかり限界があるので、まずは旅行前の情報収集で取捨選択をするがインスタグラムやFBの旅行系グループはリアルタイムで更新される素晴らしい便利ツール。

あと軽くでいいのでその国の歴史を知っておくと、日本や隣国との相互関係が見えてきて旅がおもしろくなる。

ビクトリアハーバーとカイタックターミナル、もしクルーズで香港に寄港する際は心の準備ではないが事前にどちらか知っておくと良いかも。

どちらのターミナルに着くにせよ変わらず足を運ぶのは香港の雰囲気に包まれ、地元民に愛されるローカル香港喫茶だがまずは両替しよう。

●両替は尖沙咀(ちむしゃしゅい)の重慶(チョンキン)マンションへ

少しでも良いレートで替えたい、短い時間でも異国情緒を味わいたい人にオススメしたい。

目抜き通りのネイザンストリートにあり、SIMカードを配るインド系のキャッチたちが路上にいるのですぐ分かる。

所狭しと両替商が並び色んな人種の人たちがひしめきあう一階はスルーして中央の階段で二階へ。人気は一気に減り、薄暗いがやはりレートはアップ!

それほど危ない気配は無く両替も旅行の一つとして楽しめるといい。

この建物の上階層には安宿が集まっていることで知られているが、相当貧乏旅行じゃない限り普通のホテルに泊まろう^_^ 経験者は語る…。

詳しくは昔のブログで書いてます。

Sクルーズのウエイターはドリンクを売ることによって会社からインセンティブとしてチップをもらうがそれだけ毎回米ドルではなく香港ドル…。

この近くにフィリピン人クルーがこよなく愛するハンバーガーショップ、ジョリビー香港店があり帰船時間が近くなったターミナルにはテイクアウト袋を両手いっぱいに持った彼らの姿がある。

法律を巡り中国政府と対立する痕跡が生々しく残りいまだ解決の糸口は見えないが、一時期よりか少し落ち着いてきてる様子。

両替したらメトロに乗ろう。

行く頻度にもよるがPASMOのようなICのオクトパスカードがあると便利だ。ビクトリアハーバーをくぐって香港島にある湾仔(わんちゃい)駅へ。

地上に出たら、香港の二階建て路面電車トラムに乗り換え目指すのは終点ハッピーバレー。その名称の響きも気に入っている。

続く。